
この記事は、下記の悩みや疑問を持つ個人投資家向けに書きました。
- 酒田罫線法の行き詰まり線について基本を学びたい
- 行き詰まり線がなぜ相場反転のシグナルになり得るのか教えてほしい
行き詰まり線は、酒田罫線法のエッセンスが詰まっていて、その本質を知れば幅広く応用できる重要な線です。
多くの投資本やWEB記事にある形だけに留まった解説ばかりでウンザリしていたあなたも記事を読むことで目から鱗な情報を得ることができますよ。
記事の内容は、私が独自で大口のトレーダーが利確しやすい位置を研究して、実践と検証で得た情報を元に書いたものです。
行き詰まり線の形と基本的な意味

行き詰まり線は、高値圏で大きく伸びた後、前日の高値を当日の終値が越えられなかった形を言います。
翌日以降、陰線をつけて下げていけば、相場反転のシグナルになるというのが一般的な解説で、まあそれはその通りでしょう。
行き詰まり線の形を知らなくても、順調に上げていたところ、売りがでてきて買い圧力が下がってきた形になっていますからね。
おそらく、初学者の多くがこの意味を理解できないと思いますので、実践での使い方を交えて順番に解説していきますね。
実践的な使い方
繰り返しになりますが、なぜ行き詰まり線が相場反転のシグナルになり得るのか理解できれば、 形にこだわらなくても、 ほかでいくらでも応用することができます。
大口トレーダーの利確したい位置
行き詰まり線の本質を考えるには、大口トレーダーの気持ちを理解する必要があります。
大口トレーダーの特徴は、資金が豊富であること・できるだけ大きな利益を得たいという欲望があります。
資金が豊富であれば、利益確定するとき、自分たちの保有している株を買ってもらう必要があります。
これは当たり前に聞こえるかもしれませんが、買い方が少なければ、自分が利益確定することによって自分で株価を下げ、利益を減らすことになるのです。
つまり、株価を下げず買い板に売りをぶつけたいわけですね。
そうすると、利益確定の位置は、必然的に買い方が圧倒して値段を上げている場面となります。
ここで初心者が疑問に思うのは、買い方が圧倒しているなら、翌日からも上昇するのではないか?ということです。
もちろん、大口トレーダーは翌日から上昇する見込みがあるのに、買いを手放したくありません。
だから、同じ上昇でも上昇の最後だと予測できる場面で利益確定を狙います。
上昇の最後の場面とは、最後の最後の買い方であるズブの素人が買いでマーケットに参加してくる場面です。
ズブの素人がお釈迦様のクモの糸に群がった亡者のようにピークに達した時に売り玉をぶつけるんですね。
なぜなら、ズブの素人が買った後は、もう買い方がいなくなるからです。
だから、行き詰まり線は、出来高の増加を伴った上昇が特に有効なのです。
ダウ理論から考察
さて、大口トレーダーの投資行動を理解したら、次は、行き違い線の形に注目してみましょう。
行き詰まり線の特徴は、前日の高値を終値が越えられなかったところであり、さらに前日の終値も越えられなかった場合は、特に有効です。
ダウ理論には、トレンド継続の条件として、高値と安値を更新し続けることがありますが、その更新が危ぶまれている場面が行き詰まり線なのです。
基本的に、ダウ理論は、終値の折れ線ベースに考えますが、酒田罫線法を使えば、もう少し細かな点に注目できるので、一歩早くエントリーすることができますよ。
分かりやすく図で表しますね。

この後に、下げの陰線が出現すれば、相場が転換する可能性があると基本書でも解説がありますが、細かい値動きを追っていけば理解できますね。
このように考えれば、別に陰線でなく下げの陽線であっても転換ラインを割れば同じ意味になりますよ。
これは、折れ線グラフだけだと分からないことです。

先ほどの行き詰まり線を折れ線グラフに直したのですが、ただ上昇して横ばいになったことしか分かりませんね。
この話をすると、日本株は海外投資家が多いし、米国株はローソク足を使っている投資家だけではないので使えないのでは?と思われる方も多いかもしれませんが、海外のトレーダーでもローソク足だけでなくバーチャートを使っている人も多いのです。
バーチャートもローソク足と同じ四本値で全く同じ考え方があります。

右側が行き詰まり線をバーチャートで表したものです。
伸びてきたところで、高値が上にあり、買い圧力も弱まったところで、さらに高値を越えるのがしんどそうなところは、とにかく狙われるので注意してくださいね。
ここでは、あまり詳しく書きませんが、行き詰まり線の本質が分かれば、個人投資家が大好きなブレイクアウト手法は、プロのトレーダーの餌食になりやすい理由ということも分かると思います。
また、海外の天才トレーダー集団のタートルズもブレイクアウトしたところに売りを被せるのに乗じた手法としてタートルスープで利益を上げ続けたのは有名な話です。
このように、行き詰まり線の本質を理解してチャートを検証すると、あらゆるところで応用がきくので一度自分の目で確認してみてくださいね。
なお、酒田罫線法を起源とするローソク足の基本的な動きや形は、その本質について理解していないと実践ではほとんど活かすことができないでしょう。
残念ながら、マイナスに作用することも多々あります。
ローソク足の本質と正当な酒田罫線法、そしてその弱点をカバーした売買法については、私のnoteで公開していますので参考にしていただければと思います。