
この記事は、下記の悩みを持つ個人投資家向けに書きました。
- 水平線のテクニカル的な効果が知りたい
- 実践での使い方のヒントが欲しい
- 水平線が自分の手法に使えるか調べているので本質が知りたい
記事を読むと、水平線の本質的な意味を知ることができるので、現在自分が使っている手法に応用することができます。
また、同時に私の水平線の見方や使い方を参考にすることで、あなたのトレード技術向上の一助となれば幸いです。
前提条件として、こういった指標(目印的な意味)を使いこなすには、その意味についてしっかりと理解しておいた方が応用が利いて有利です。
よって、この記事では、なぜ水平線を引くかという話から順番にお話ししていきますね。
水平線を使う意味と効果
チャートを開いて、横に線を引く水平線は、価格という共通の目印があるので、客観的に分析できるツールとして効果的です。
水平線を有効に活用すれば、①レジスタンスとサポートの位置を予測したり、②現在進行中のレジスタンスやサポートを利用して売買のきっかけを作ることができます。
だから、今後レジスタンスやサポートになるだろう位置に引く必要があるわけですね。
よって、次に解説する水平線の引き方が重要であり、引き方を理解すれば、水平線を使う意味も同時に分かります。
水平線の引き方
水平線の引き方は、大雑把で良いって人もいますが、私の場合は、きっちり引きます。
なぜなら、水平線を利用して過去から現在、そして、現在より少し先の未来のレジスタンスやサポートになるかもしれない位置を判断するためには、大中小で起こっている買いと売りの勢力争いを把握しなければならないからです。
つまり、買いと売りの勢力争いがフラクタルに起きていることを理解しているからです。
レジスタンスやサポートとなる水平線は、過去に買いと売りが激しく戦って均衡状態を保っていた箇所を基準に引きます。
もう一つ、前の高値や安値といった過去の成績が分かる位置から線を引っ張ります。
両者は、別の理由で水平線を引くのですが、サポートやレジスタンスになるかもしれない、もしくはなっていることを把握するという目的は同じです。
そして、この2つのポイントがサポートやレジスタンスになりやすい理由は、もみ合いだったり、前の高値や安値は、投資家やトレーダーから意識されるポイントであり、損切りができなかった人にとって、感情的になりやすいポイントでもあるからです。
そして、先ほどお話しした通り、これらはフラクタルで起きていることなので、大中小に分けて判断すべきです。
通常の短期売買なら、小中の均衡を判断して、大きな節目で大の均衡を確認できれば実践で使うことができるでしょう。
小さいもみ合いは、ローソク足ベースの水平線を引き、中くらいのもみ合いは、小波動の高値・安値をベースに引きます。
小さなもみ合い

小さなもみ合いは、ローソク足ベースで起きます。
水平線は、なるべく多くのローソク足の端が絡むように引くのがコツですが、ローソク足の実体の端に合わせることで上手く引けることが多いです。
こういったヒゲは、水平線を割って戻っていることを察するに、ザラバでのトレーダーが、一時的に感情的になった場面だなと判断しています。
結果、水平線の内側に戻ったことで、より強固なもみ合いだと判断できますよ。
上図は、①のオレンジの線で価格調整は終了しています。
その後、ヒゲ(チャートのA)で前回の波動(水色のライン)の高値をつけていますが、ライン2内で実体が動いています。
こういったときは、ライン2の方が強力なレジスタンスラインとなるわけで、そこを上抜けば買いにコンセンサンスが傾くわけですね。
75EMAが上に向いているので、合わせて考えると買いやすい場面でもありますね。
そして、この上値のライン1か2あたりが将来の株価のサポートラインになる可能性があるわけですね。
中くらいのもみ合い

中くらいのもみ合いは、短い期間で一定の価格帯を上下する動きです。
ボックスの解説書なんかでは、きっちりと上下のラインが書かれていて、こういったもみ合いが多いように思えますが、銘柄によっても変わりますが、上図のような上と下できっちりと上下する動きは珍しいと思った方が実践的です。
どちらかというと、上下しながら段々と上か下に隙間が空いていき、どちらかの方向へブレイクしていく動きが主流です。
こちらも小さなもみ合い同様、将来、上値ラインがサポートラインになる可能性があります。
高値・安値が意識されたもみ合い

底値圏で発生しやすいのですが、小波動ベースでもみ合いになれば、高値と安値が意識されます。
ただ、このくらい価格と日柄が開いた往来の場合、きっちりとローソク足に合わせて引けず、少し誤差が生じることが多いです(ラインではなく、大体この辺といった感じでゾーンで考えてもいい)。
なぜなら、マーケットの参加者は、上下のラインを意識しているけど、フライングする者から最後まで様子を見る者まで様々だからです。
日柄が長くなると、参加者の認識も少しずれるわけですね。
ただし、大体同じくらいで止まったり反落していることから前の高値や安値が意識されることが明らかです。
だから、こういった部分にもラインを引く必要があるのですね。
このボックス圏の上値を抜ければ上値ラインがサポートになり、下値を割れば、下値ラインがレジスタンスラインになるのが基本的な動きです。
大きな高値と安値

過去の大きな高値と安値に到達した時も、投資家やトレーダーに意識されやすいポイントになるので水平線を引きます。
勘違いしてはいけないのが、大きな高値だから、もう伸びないだろうとかそういうことではありません。
もちろん、そこが強力なレジスタンスとなり天井となることもありますが、そこを抜けてサポートラインになる可能性もあるのです。
上図では、Aの位置ですんなり高値更新した後、上昇が鈍ったのですが、前の高値がサポートとなり、さらに伸びました。
その後、株価は下落に転じますが、Bの位置でもう一度サポートとなり、跳ね返った後、下がっていきます。
このように考えると、上昇のスタート地点である底値圏のボックスの上下の水平線は、もし次にそこまで下げることがあるなら、マーケットの参加者に意識される価格帯だなと気を付けてみることができるでしょう。
実践での使い方
実践では、水平線を引いて、そこが本当にレジスタンスかサポートになるかを判断します。
通常の一発必中のトレーダーなら、レジスタンスラインに当たって下げたから空売りする、サポートラインに当たって跳ね返したから買いといった判断をします。
また、イモ筋のトレーダーならレジスタンスラインを越えたから買い、サポートラインを割ったから空売りといった追っかけ商いをするかもしれませんね。
それが有効な場面とやってはいけない場面の区別がつかないわけです。
私の場合は、うねり取りという手法を使っているので、レジスタンスやサポートラインで少しポジションを追加したり、はずしたりすることもあります。
しかし、根本的なことは、波動の始まりから終わりまでを理解しておくことです。
いくら、レジスタンスラインを越えたからといっても、波動の終わりであれば、一旦の調整はくるし、サポートラインを割ったからと言っても、セリングクライマックスであれば偽のブレイクアウトになるのです。
また、根本的な波動の動きを知らなければ、ラインを越えて戻ったり、割って回復する動きに翻弄されるでしょう。
実践で水平線を利用するには、波動の限界と周期性を理解しなければ、有効活用することができません。
波動については、エリオット波動で基礎と本質を学んで練習すれば、直接実践で役立てることができますよ。
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さらに、もみ合いが長かったところから水平線が引けたので、強力なサポートやレジスタンスになるかもしれないと思っても、実際にエントリーできなければ意味がありません。
そういった特徴を網羅しながら、上か下のどちらに行っても対応できるように、備えておく必要があるのです。
また、水平線が複数引けるところでは、一発買いや売りでは対応できないし、有利な位置でポジションをとることができません。
私の場合は、独自のうねり取りを使って、それを解決しています。
手法については、下記の記事で公開していますのでご参考いただければと思います。
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さらに、水平線を使ったトレードをするときは、トレンドラインやチャネルラインと合わせて考えることがとても重要です。
トレンドラインについては、『株式投資のトレンドラインの引き方【多くの人が勘違い】』という記事を参考にしていただければ幸いです。