酒田新値の数え方

この記事は、酒田罫線法を勉強していて、以下の点で疑問や悩みがある個人投資家向けに書きました。

こんな悩みを解決

  • 酒田新値の正しい数え方が知りたい
  • 酒田新値の実践での使い方を知りたい

記事を読むことで酒田新値の数え方とそれをどのように実践で活かすのか分かります。

酒田新値の数え方については、いろいろな記事で拝見しますが、その多くが当て物売買を前提に利用しようと考えたものが多く、本質を理解してないことがよく分かる内容でした。

また、分割売買を元にトレードしようとしている人でも、杓子定規に当てはめようとしたものが多く、納得できなかったのではないでしょうか?

私は、実際に酒田罫線法の考え方をトレードに活かした取引をして利益を上げています。

実績公開(4か月ごと)

【実績】2019年9月から12月までの株式投資の収益公開(過去は2015年から公開してます)

その経験と検証に基づいた内容なので、酒田罫線法を勉強している人ほど府に落ちる内容になっていると思います。

酒田新値は、一発で上げるか下げるかの当て物売買を前提としていません。

また、酒田新値の数え方は、あくまで初学者が分割売買するための基本的な指針、いわゆるガイダンスでしかないのです。

だから、プログラムを使ったシステムトレードには何の役にも立ちません。

その辺を踏まえて読み進めてみてくださいね。

動画では新値の数え方に加え建玉法も解説!

酒田新値は、慣れるまで難しく感じますので記事と動画、両方活用して記憶に残るようにしていただければと思います。

YouTubeでも株・FXに役立つ情報を提供していますので、チャンネル登録と高評価ボタンを押していただけれ嬉しく思います。

酒田新値はどんな波を前提にしている?

トレードで利益を上げるには、自分の手法のルールを守らなければならないのは周知の事実です。

そして、自分の手法は、大中小ある波動のどの波で利益を上げるのか決めておいて、決めたルールを破ってはいけません。

すなわち、小波動を狙ったスイングトレードなのに、利益確定をせずに放置していたら株価が上手く上昇してきたので中波動狙いに変更したり、中波動を捉えるためポジションを増やしてきたのに、小波動の下げであたふたして利益確定してしまうようなことをやってはいけないのです。

酒田罫線法は、目先から中勢の利益を狙うための手法です。

すなわち、小波動・中波動をとるためのルールが伝承されたものなのですね。

だから、大波動を前提から消さなければなりません。

大中小の波動についてよくわからない人は、私が最近アップロードしたYoutubeで解説していますので、ご参考ください。

なお、テキストでは、「【株価先読み】値動きの仕組みを完全理解【勝率アップ】」という記事の後半で波動について触れていますので、併せてご参考いただければと思います。

酒田新値の数

酒田罫線法には、順行と逆行という考え方があります。

現代的な言葉に修正すれば、トレンドの方向と同じ向きに株価が進んでいることとトレンドと逆に株価が進んでいるという意味になります。

酒田罫線法の酒田新値には、新値八手十手と押しや戻りは陰陽線新値三本という基準があります。

すわなち順行中の新値はせいぜい8~10本くらいで、押しや戻りは新値で3本程度という意味です。

この考え方が使えないという人の論理の一つで、順行で10本を優に超えていく場合もあるではないか?という疑問があります。

そういった人は、中波動の押しによるリセットを考えていないこと、大波動が頭に入っていること、本当の数え方を知らない人ということになります。

確かに、新値13本くらいでて押しを付ける場合もありますが、そういった場合の対処は後述しますね。

具体的な数え方

酒田新値の数え方は、証券会社の情報でも曖昧であることが多いです。

一つの疑問が新値は、高値・安値で見るのか、それとも終値でみるのか?とういこと。

結論としては、酒田罫線法がローソク足を使った手法であることもあり、新値は、高値・安値を使って数えます。

曖昧な書き方をしている人は、高値・安値を見る場合もあるし、終値も見る場合もありますなどといったいい加減なことを書いていますが、なぜそのようなことを書いているかというのは簡単で、実践家ではないからです。

少なくとも、酒田罫線法を使った実践家ではないことが分かります。

そして、具体的な数え方は、上昇では順行を陽線として陰線は逆行、下落では陰線を順行として陽線を逆行とします。

上昇時の数え方の例

酒田新値の上昇の数え方

上昇時は、陽線の最高値が更新されるたびに、1本2本と新値の数を数えていきます。

これは、途中に小さな押しを付けた場合も同じです。

酒田新値の上昇の押しを付けたときの数え方

途中の押しは、陰線を付けたら陰線新安値1本、2本と数えていき、再上昇して新高値をつけたところから4本目を数えます。

こういうと、チャートを検証してみたが、上昇トレンドである限り、どんどん新値がついていき8~10本なんて、全然当てはまらないのではないか?とおっしゃられる人もいるでしょう。

そこで、思い出していただきたいのが、酒田罫線法がどの波動を狙った教えなのか?ということです。

酒田罫線法は、小波動と中波動を狙った手法でしたね。

すなわち、この新値8手10手というのは、小波動を基準として考えられているのです。

だから、小波動の転換が新値のリセットのポイントとなるのです。

先ほどの動画では、中波動の途中の押しに当たります。

これは、すべてと言っていいほどのWEB記事で間違って解説されていたので注意してください。

小波動の転換については、単純に陰線が5本以上でたらなんてものではありません。

だいたい転換点がそんな簡単に分かったら誰も苦労しませんよね?

これは、後述する実践的な使い方でも述べていますが、そもそも転換点のあたりがつかなければ、1つの波動が終わった後の数え方が分からなくなるのです。

転換点については、酒田罫線法と反対の理論であるダウ理論が、はしりとしては多くの人に理解されやすいでしょう。

転換点については、noteに書きましたのでご参考いただければと思います。

下落時の数え方の例

下落時は、上昇時の数え方の全く逆に考えれば大丈夫です。

ただし、値動きのスピードが速いので上昇との癖の違いを研究するのが実践で役立つ方法になります。

実践で使えるようになるには?

繰り返しになりますが、酒田新値の数え方は、あくまでこれから習うものの指針にすぎません。

それをベースにして自分の変動感覚を身につける必要があります。

この値動きは押しなのか?転換なのか?のような。

理論という言葉は、アマチュア向けなので使いたくはありませんが、あえて理論で表せば、新値だけでなく日柄と値幅、値動きを見ることです。

また、株の銘柄、先物の商品の種類によって、値動きに癖があります。

現在、コンピューターの進化によって、銘柄をスクリーニングしてシグナルが発生していればトレードするというやり方が多いですが、酒田罫線法は、そもそも銘柄選定を重視していません。

トレードする銘柄は、少数であり毎日値を追って観察するのが基本です(米相場は一つだったわけですからね)。

その中で、値動きの癖を体にしみこませてトレードするわけですね。

例えば、 目先を狙ったつもりでも連続して上昇や下落することがあるなあと思ったらパーフェクトオーダーの地合いで結果大波動だったってことがある。

そう言うときは、移動平均線を使って地合いを見極めればいいな。

とか、

例えば、新値は、最高値や最安値を基準に考えるのが基本と言われたけど、実際にチャートを見たら、ものすごくヒゲの長いローソク足が高値や安値になっていた。

こういうときは、どのように動くのかな?

など。

実践では理論では説明できない箇所が多々出てきます。

ただし、それらは、頭で考えているだけでは、一生できるようになりません。

自分で実際にトレードや本番さながらの練習をする必要があるからです。

いくらサッカー選手のプレーをスタンドから見ていても、理論的なうんちくが語れるようになるだけで、実際フィールドに立ったら何もできないことと同じです。

世の中、トレードを単純に練習しろという人はいますが、漠然としてよく分からなかったのではないでしょうか?

この記事を読んで何に着目して練習すればいいのか理解できたと思います。

また、酒田の新値の数え方は、本当の酒田罫線法の売買法を知っていなければ、全く機能しません。

市場に出回っている流布本は、外国から逆輸入した罫線法が混ざったものがほとんどで、多くのトレーダーが勘違いしているように思えます。

私のnote記事では、江戸時代から伝わる酒田罫線法とその弱点をカバーした売買法について詳しく書いてますので参考にしていただけると嬉しく思います。