ROEとROAの分析方法を解説

「ROEとROAの基礎知識から見方や使い方、実際の分析方法について知りたい」

この記事は、そんな悩みを持つ初心者投資家向けに書きました。

鋭い人は気づくと思うのですが、ROEとROAは、数字だけを根拠に投資しても上手くいきません。

なぜなら、2つの指標は、企業の収益性に目を付けたものですが、市場のコンセンサスである株価を考慮してないので、株価とROEやROAは相関性がないからです。

そうすると、ROEやROAの数字から、分析する企業がどのような成長戦略をとっているか読み取ることが重要になってくるわけですね。

記事の内容は、株式投資の実践家である私の研究と経験を書いたものなので参考にしていただければ幸いです。

ROEとROAの基礎知識

ROEとROAは、どちらも企業の収益性を見る指標として使います。

両者の違いは、ROEは株主資本に対しての収益性(自己資本利益率)であり、ROAは総資産に対しての収益性(総資産利益率)を表していることです。

ROEの計算方法は、(当期の純利益÷自己資本×100)%です。

一方、ROAの計算方法は、(当期の純利益÷総資産×100)になります。

分母が自己資本か総資産であることの違いというわけですね。

※自己資本とは会社の純資産(株主から調達した資金や利益剰余金など)のことを指します。

目安

冒頭でも述べたとおり、ROEとROAの数字だけで杓子定規に判断しても、投資としては上手くいかないですが、一般的な目安を知っておくことで感覚を掴むことができます。

ROEは、10%以上で合格、8%未満で不合格といった基準です。

ROAは、一般的に10%で優良企業、5%で良い、2%で普通くらいで見られることが多いです。

これは、どちらかというと投資家目線というより、取引先の企業分析向けの感覚かもしれません。

なぜなら、投資というものは、企業が成長する前に成長の可能性を予測して行うわけで、すでに高いROEやROAに投資するのは、どちらかというと投機になるからです。

また、ROE・ROAともに業種や企業の大きさ、事業の成長サイクルの現在の位置で目安となる数字が変わってきます。

例えば、通常、ROAが2%なら普通の企業であると評価できますが、小型株の場合は、母数となる資産が少なく稼ぐ力が小さければ危険と判断できるでしょう。

見方

すでに話した通り、ROE・ROAと株価は連動していないので、数字だけを目安にして判断するのは危険です。

しかし、逆を言えば、株価が割安なのにROE・ROAが高いときがくる可能性があるわけで、それは投資チャンスになります。

だから、株価の割安割高指標であるPERやPBRと同時に見ることによって、単体で見るより詳細に企業の市場価値を判断することができるんですね。

PERとPBRについては、下記の記事で解説していますのでご参考いただけたらと思います。

ROEは、利益を増やすことだけでも大きくすることはできますが、毎年利益だけで大きくするのはかなり難しいです。

得た利益を積極的に配当や自己株式に回し、母数の純資産を減らすことによって大きくすることができるのです。

つまり、成長とともに株主還元に積極的な会社だと判断できるわけですね。

使い方

ここまでの話でROEとROAは、主にどちらを見ればいいのか、という疑問が湧いてくると思います。

結論を言うと、両方をバランスよく見ることです。

例えば、 ROEが高いのにROAが低い場合、借金をして無茶にROEを高めている可能性はないか?という目線から企業分析していく必要があります。

一方、ROAが高いのにROEが低い場合、借金は少ないが上場企業の宿命である成長に積極的ではないのでは?という目線から企業分析することができますね。

ROEとROAは、使えないという情報が目立ちますが、個々の数字だけをいくら分析しても分析効果は低いのです。

特に、ファンダメンタル分析は、テクニカル分析と違って直接、市場の動きをとらえるものではないので、総合的に企業価値を分析していく必要があるのです。

投資戦略

ROEは、経営者の実績を評価する指標として、海外投資家が重視する指標だったのですが、2015年ころから日本でも注目されるようになり、重視する企業が増えてきました。

その証拠に、経営者に資本効率の重要性を意識してもらうために作られたJPX日経400の選定基準の一つにROEの3年平均スコアが入っています。

多くの人が安全度を確認するためにROEを見ようとしますが、現在のROEの数字が小さくても、数字を上げようと努力している企業なら、将来ROEが伸びてきたとき、海外投資家からの注目がカタリスト(材料)となって株価上昇のきっかけとなる可能性があるんですね。

私の場合、ROEが8%以下でも年々増加傾向にある銘柄は、その理由を確認するとともに、納得できれば投資対象にしています。

また、すでにROEが高い企業を選ぶならPERやPBRを同時に確認して収益性が高いのに割安になっていないかを確認するというやり方もあります。

一方、小型の成長株はROEが高くなる傾向があるのでROEだけだと割安株を見つけづらい特徴があり、そういう時はROAも同時に考慮するといいですよ。

このように、自分の投資スタイルに合わせて見方を変化させていくのです。

今回は以上です。

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