ローソク足のたすき線の解説

この記事は、下記の人へ向けた内容となっています。

こんな悩みを解決

  • たすき線の意味と効果を詳しく知りたい
  • 実戦での使い方が分からない
  • 投資家心理や行動を知りたい

記事を読むとたすき線の基本的な意味だけでなく、どうして出現後に上がる下がるのかをしっかり理解できるようになるので、きれいな形だけでなく似たような形がでてもエントリーの成否を判断できるようになります。

実際に私が行っているトレードでは、ローソク足が重要な指標の一つということもあり、日々研究しているので濃い内容をお話しできると思ってます。

たすき線は、フェイクや逆行した場合に逆の効果がでてくるので、出現箇所に注意しながらエントリーする必要があります。

出現箇所については、株価の流れを理解したほうが分かりやすいと思いますので、株価の流れを読むことに自信がない方は、下記の記事から読み進めると理解しやすいと思います。

基本

たすき線は、買い圧力が強かった線と売り圧力が強かった線の2種類があります。

形は、両方とも前日のローソク足の実体から引け値が上や下へ抜けている”たすき”のような状態で出現した並びです。

類似線にかぶせ線と切り込み線があるので同時に覚えておくとトレードに役立ちますよ。

買い圧力が強かったたすき線

上昇圧力が強いローソク足のたすき線

前日の陰線の実体あたりで寄り付き、前日の終値を抜いて陽線で引けた並びです。

出現箇所が底ならば上昇への期待、下落途中なら少し買いが入ってきた、下降トレンドの途中なら下放れたすきになり、だましである可能性も出てきます。

一見当たり前の解説のように聞こえるかもしれませんが、売買の需給の変化を確認できるので株価の流れを読むのに役立つし、エントリーしていたならメンタルが安定します。

下落トレンドでは、下げてきて少し上げるとか横ばいになったので買うともう一段安になることがありますね。

だから、しっかりと下げ止まったのを確認するには、たすき線のほかの指標も組み合わせると効果的ですよ。

買い足のたすき線のチャート例

上のチャートは、200MAの上で動いている買い需要が高い状態でしたが、25MA・50MAを割ってきました。

このまま200MAまで下げるのか、大きな流れの押しでそろそろ元に戻るのか判断に迷うところですが、赤丸部分のような下げ止まりを暗示するローソク足の並びがきれいに3つも出てきました。

全体で言えば株価がかなり高い状態(チャートのみの判断)なので、最後の抱き陰線では、エントリーしづらいのですが、次のはらみ線あたりから怪しんで、初心者でもたすき線出現では、買いエントリーしたいところですね(ガッチリ底を固めている)。

また、下落の底を探っている人にとっては、逆張りエントリーの目安の一つとしても取り入れることもできますよ(下げの途中で出てくることもあるので銘柄を自分の監視対象にできる)。

売り圧力が強かったたすき線

下落圧力が強いローソク足のたすき線

前日の陽線の実体あたりで寄り付き、前日の終値を割って陰線で引けた並びです(買い圧力が強かった線の逆ですね)。

この並びも上昇初期なのか天井付近(中波動・大波動でも違う)なのか下落トレンドなのかで判断が変わります。

逆に、たすき線の動きを知っているだけで、利益確定するかどうかやもう一日様子を見るなど、なんとなくの判断ではなく具体的に判断することが可能なのです。

酒田五法の並び

酒田五法では、2本で見る単純なたすき線だけでなく、もう少し日柄を使った並びもあるので、こちらも覚えておくと上昇初期や下落初期で早まって逆にエントリーしたりエントリーできなかったなんてことが少なるくなるでしょう。

上放れたすき(上昇初期)

上放れたすき

上放れたすきとは、上昇初期に窓を開けて陽線が立ち、次の日たすき線が成立した後、その翌日にたすき線を上抜いた形です。

最後の陽線は、1本で抜けば強い印象がありますが、2本で抜いても成立すると思います。

上放れたすきのチャート例

上のチャートでは、パッと見た感じでは、単純にもみ合いを抜けたから買いと考えられますが、それだけだとフェイクの可能性もあるので、エントリーに迷う人も多いと思いいます。

ところがもみ合いのローソク足をよーく見ると、上放れたすきが成立しています。

50・200MAが上を見ている状態で株価が下がらずもみ合っている状態から再上昇する可能性が高いシーンなので、見逃さないようにしたいところですね。

ちなみに、ゴールデンクロスも成立しているかなりおいしいポイントですよ。

ちなみに、上放れたすきと同様に出現しやすいのがかぶせの上抜けなので同時に覚えておくと、こういった美味しいシーンを見逃さないようにできますよ。

逆に、しばらく上昇した後に上放れたすきが成立しても日本株の場合は、行き詰まりの可能性があるのでエントリーは控えて、ポジションを持っている人なら注意深く観察していくのが吉だと思います。

書籍などでは、買い増しのチャンスと書かれていることが多いのですが、私の分析では高値買いになってしまう可能性が高いのでエントリーはもちろん買い増しはしないほうがいいと思っています。

下放れたすき(下落初期)

下放れたすき

下放れたすきは、窓を開けて下落した後、一旦戻すかのように買い足のたすき線が出現して、それをもう一度陰線で下値割れする形を言います。

上放れたすきの場合は、上昇初期に出現しやすく、その時なら順張りのエントリーも優しい感じでしたが、下放れたすきの場合は、下げてきてもう一段安になりそうなシーンで出やすい印象がありますね。

だから、下放れたすきを知っておくと、下げ止まりのフェイクを見抜くことができて、順張りの空売りエントリーすることが優しくなります。

下放れたすきのチャート例

上の図は、200MAを割っていくシーンですが、抵抗線となっている200MAがあると空売りのエントリーがしづらい場面でもあります。

ところが、下放れたすきを知っていると上昇の目は断たれたと判断できるので、少なくとも買いエントリーはないし、左側の下げ止まったように見える箇所で買いエントリーしていたとしても損切りの目安にすることができます。

そこで、空売りやドテン売りができたならば最高ですね。

なお、酒田罫線法を起源とするローソク足の基本的な動きや形は、その本質について理解していないと実践ではほとんど活かすことができないでしょう。

残念ながら、マイナスに作用することも多々あります。

ローソク足の本質と正当な酒田罫線法、そしてその弱点をカバーした売買法については、私のnoteで公開していますので参考にしていただければと思います。