
この記事は、下記のような悩みを持つ人へ向けた内容となっています。
- 三空の並びについて勉強したが役に立っていない
- 実戦での使い方や考え方が分からない
- 市場で何が起きているのか知りたい
記事を読むと三空叩き込みと三空踏み上げについて実戦的理解を得ることができるので自分の売買に役立てるヒントになると思います。
実際に私が行っているトレードでは、ローソク足が重要な指標の一つということもあり、日々研究しているので濃い内容をお話しできると思ってます。
個人投資家であるトモカズの2015年11月から2018年12月31日までの株式投資の譲渡損益の実績をまとめました。
基本
三空には、上昇打ち止めと下落下げ止まりを暗示する2種類が存在しますが、まずは、その2種類の型を解説しますね。
三空踏み上げ(反落暗示)

三空踏み上げは、陽線が窓を開けて4本連続出現した状態を言います。
三空とは三つの窓を意味するんですね。
昔から3つの窓を開けて上昇すると、相場は一服すると考えられていて、下落暗示の型と言われています。
株価は、基本的に長期的には企業価値、短中期的には移動平均線との乖離率が大きくなると、投資家の利益確定や高値不安から元に戻そうという力が加わります。
三空踏み上げの場合は、相場が過熱しすぎなので下落に転換する可能性があるんですね。
ところが実戦では、こんなきれいな三空踏み上げの形は、ほとんど出ることはないし、場所によっては即転換とならない場合も多々あります。
その辺は、後述する実戦での利益の取り方でお話ししていきましょう。
三空叩き込み(反騰暗示)

三空叩き込みは、三空踏み上げの逆で、陰線が窓を開けて4本連続で下落した状態を言います。
投資家の狼狽売りが続き、株価が一時売られすぎになっている状態です。
このような下落の仕方は、移動平均線との乖離率も高くなり、自律反発する可能性が高くなるのです(出来高が多い銘柄なら今がチャンスとか安すぎではないか?と思う投資家が高い確率で買いを入れてくる)。
三空叩き込みであれ三空踏み上げであれ、本当に売られすぎ買われすぎならばエントリーが非常に簡単になるのでしょうが、本当に上手くいくのでしょうか?
その辺りの分析結果は、これから実践的な利益の取り方を交えてお話ししていきますね。
実戦的な利益の取り方
私が分析した結果、三空踏み上げや三空叩き込みの出現率は非常に少なかったです。
そして、ヒゲ部分を基準とした窓開けでの上昇下落はほぼないと言っていいでしょう。
だから実戦では、窓開けの基準を実体ベースでも叩き込み・踏み上げとして入れたほうがいいと思います。

こうすれば、出現箇所が増えてきます。
もう一つ、コマであれば三空のローソク足の一つとして考えても使えるところが多かったです。

実際に狙える出現位置
三空には、両方とも狙いやすい位置とフェイクになりやすい位置があります。
まず、積極的に狙いたい本命の位置は、トレンドの終盤です(三空叩き込み)。

チャート右側の5,25,50MAの位置から長い下落が一旦終了したことが分かります(移動平均線に詳しくない初心者の方はとりあえずそういうことで進めてください)。
株価は、反発してきましたが50MAを越えたあたりで下落に転じます。
統計的にいって、この位置では結構反発した方です(チャート分析を1500年分くらいやればパッと見ただけで判断可能)。
ボラティリティの高い下落ですが、三空叩き込み発生前に一度反発していますね。
そのあと、前回の安値に向かって三空叩き込みが発生しました。
逆張りなら4本目の下ヒゲ陰線でエントリー、それが怖い人でも翌日の下ヒゲ陽線でエントリーできるのではないでしょうか?
どちらにしろ、三空叩き込みを知らない投資家の場合は、怖くて手を出せないシーンです(だから実際に大きく売られている)。
いわゆるセリングクライマックスの一つですね。
逆に三空踏み上げでの空売りエントリーは、上昇の最後のような気がしてもかなり注意したほうがいいです。
なぜなら、天井圏は値動きが激しいので一度下がっても押しとみて買う投資家も多いからです(一日取るというやり方はありかも)。
売りの場合は、激しく下がれば狼狽で売る人はいますから、空売りはヘッジファンドが主流となるので、追撃の空売りをする人は少ないでしょう(もっと株価の高い位置で仕掛けてくるので)。
しかし、買いの場合は、人々は欲望に駆られて株を買い漁るので簡単に下がりづらい傾向にあるからです(何か経済的なショックがあれば別)。

三空踏み上げも叩き込みと同じように、上昇の最後を狙うのがセオリーなのですが、一気に下落することが少ないので上のチャートのように、なんでもないところで跳ね上がっているが、跳ね上がりの理由も理解できる箇所がやりやすいと思います。
上のチャートを解説すると、トレンドラインに沿った上昇(50と200の位置から恐らく2,3か月の上昇だったと思われる)がトレンドラインと25MAを割って一旦下落に向かいますが三空踏み上げが出現します。
ここで本当に上昇していくパターンもあるのですが、もう少しゆっくりとした上昇がセオリー。
今後上昇するにせよ少なくとも短期的な下落はあるなと予想できます。
しかも、一番上が大陰線なのでこれは初心者でも空売りのエントリーができそうですね(ただし短期的な可能性もあるので陽線コマあたりで利確しておくこと)。
短期的だと読んだのは、すぐに下落する場合は、ほとんど横ばい&弱々しいローソク足の並びで下がっていくことが多いからです。
フェイク(だまし)
三空には、フェイクがあります。
中級者くらいの人なら引っかかることがないと思うのですが、ローソク足の形だけにとらわれがちな初心者の方なら引っかかる可能性があるので解説していきますね。
三空のフェイクは、赤三兵や三羽烏が出現しやすい位置と同じです。
すなわち上昇の場合は、大相場の始まりであり、下落の場合は長い上昇後の下落転換あたり(もみ合い後が多い)です。
(赤三平と三羽烏については、下記の記事で学習することができます。)
酒田五法のローソク足の並びである赤三兵について基本的な意味から大幅上昇の捉え方、だましに引っかからない方法を学ぶことができます。
下落転換を示唆するローソク足の並び三羽烏の基本と実戦的な使い方を学ぶことができます。また、独自の分析結果で三羽烏を応用した中波動でのエントリーの仕方も公開しましたので売買のヒントになると思います。

上のチャートは、記憶にある人も多いと思いますが、任天堂がポケモンGOのリリースで大暴騰した時のチャートです。
本来、MACDヒストグラムの大三元も点灯している大相場の予感を示す様なシーンで赤三兵で上昇していくような箇所ですが、ファンダメンタルの要素が大きく三空踏み上げで上昇しました。
三空踏み上げだからといって空売りを入れてしまうと、結果的に8,930円上に持っていかれてしまいます(1日で切ればセーフ)。
ファンダメンタルの要因がそんなに強くなかったとしても、移動平均線が収束した状態からの上への飛び出しは大きく株価が動くシーンでもあるので三空踏み上げが出現したとしても安易に空売りを入れないほうがいいでしょう。
三空叩き込みの場合も下落初期は気を付けたほうがいいのですが、下のチャートのように、下落中期くらいで大きく下げて下値の抵抗線にぶつかったなら買いを入れるのもありでしょう。

ところが、その後ローソク足の動きが冴えないので早めにイグジットしておいた方が無難です(もう一段安の可能性あり)。
このように、下落に転じて日柄が浅い箇所で三空叩き込みが出現した場合は、一度エントリーしてみるのもいいですが、その後の動きですぐに逃げられるようにしておくといいですよ(下落初期は買いは入れない)。
○○ショックは注意!
ところが日柄も十分経過して、恐らく下落の最終局面を迎えるだろう局面で三空叩き込みが発生した場合でも一撃で景気を左右するような○○ショック(オイルショックやチャイナショック、リーマンショックなど)と名の付く場合は、逆張りの即買いエントリーはかなり危険だと思うので私は避けるようにしています。
下落の最終局面と見られる場合ならすでに何かのショックで下落していることが分かっているはずです。

上のチャートは、下落が3ヵ月以上続いた後、一旦トレンドラインを越えるほど上昇し始めました。
その後、三空叩き込みが出現して、ローソク足は長い下ヒゲをつけたコマ、そして3400円の節目と前の安値で止まっています。
これは、通常時ならちょっとエントリーしてみようかなってところですが。

下値を割って200円下落していきます。
右側で下落が止まりそうだという結果を見ればナンピンでもいけたかもしれませんが、この後たいして上げずにもう一段安になることもあります。
こういう場合は、素直に下値抵抗線まで待ってから試し玉をいれていくのが良さそうですね。
三空についての解説はここまでですが、今まで大衆本に書いてあるトレーディングを中心に株式投資を勉強してきた人は、こんなの使えるわけがないと思うかもしれません。
その違和感は、一発必中で当てる取引をしなければならないという考えがあるからです。
本来、酒田罫線法を起源とするローソク足は、一発必中の取引ではなく、戦略的分割売買(引かされたから平均値を下げるため無理に玉を追加するナンピンとは次元が異なる)に基づいた建玉法がメインです。
あくまで、ローソク足の型は、初心者向けに建玉のやり方を指南するガイダンスにすぎないのです。
その本質について理解していないと実践ではほとんど活かすことができないでしょう。
残念ながら、マイナスに作用することも多々あります。
ローソク足の本質と正当な酒田罫線法、そしてその弱点をカバーした売買法については、私のnoteで公開していますので参考にしていただければと思います。
購入者様へお知らせ 2020/11/4に、より実践で役立つと思うポイントを3項目追加+1項目更新しました。更新状況は、目次の日付で確認できますので、空いた時間に学習を進めていただけたらと思います。 -------本文はここからです------- 多くのトレーダーが日々解析に励むローソク足。 型をしっかり覚えたのに、実践で役に立っているような、いないような・・・そんなモヤっとしたものになってないだろうか? 何事も基礎が大事ですが、基本の教えについて本質を理解していなければ、実践で活かすことはできません。 むしろ、ローソク足の強弱で心が乱されるので、折れ線グラフにした方がいい
また、現在、株式投資で思うように利益が出せていない人は、何かがズレている可能性があります。
下記の記事では、私の手法について解説していますので上手く利益を出せるようになるきっかけにしていただければ嬉しく思います。
株式投資の手法を探している人向けに、実際に筆者が使っている一般の人が努力次第で比較的成功しやすい株式投資の手法を書いた記事です。