ローソク足の坊主の解説

この記事は、下記の人へ向けた内容となっています。

こんな悩みを解決

  • 坊主系ローソク足が出現した時の信用性が判断できない
  • ローソク足の坊主の種類と投資家心理が知りたい
  • 実戦の相場での活かし方が分からない

記事を読むことで、坊主系ローソク足の本物とだましの区別がつくようになり、 トレードに役立つ実戦的な力が身につきます。

実際に私が行っているトレードでは、ローソク足が重要な指標の一つということもあり、日々研究しているので濃い内容をお話しできると思ってます。

坊主系ローソク足は、フェイク(だまし)があるので、書籍やWEBメディアで非常に強い・弱い長線であることを学んだ初心者の方ならエントリー後、株価が逆行をして損をした!なんてことが一度はあったと思います。

それを防ぐには、ある程度株価の流れが読める必要があって、その流れでそろそろかなってあたりで、坊主系ローソク足のシグナルが点灯したらエントリーするのが基本です。

もしあなたが、株価の流れについて学んだことがないのなら、先に下記の記事を参照していただくとより深く理解できると思いますよ。

ローソク足について勉強し始めた初心者さんもいらっしゃると思うので、まずは坊主の種類と基本的な投資家心理からお話ししてきますね。

坊主系ローソク足の種類と投資家心理

坊主系ローソク足は、陽線陰線それぞれ3種類ずつあります。

坊主系ローソク足の共通点は、すべて長線である大陽線 ・大陰線ですが、その長さは酒田五法でも定義されていません。

しかし、毎日チャートを分析していく中で、相対的に長い・普通・小さいが分かってくるので心配いりませんよ。

しっかりと定義付けてくれないと分析できないと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、相場で杓子定規な考え方はNGです。

日本人が投資が下手なのは、戦後の貯蓄マインドで投資に慣れていないこともありますが、必ず答えが一つである義務教育の弊害ではないかと個人的は思います(私も思考を変えるのに苦労しました)。

もちろん、教育レベルが上がるので義務教育が悪という話ではなく、相場の世界で分析が正しいから絶対に上昇・下落という考え方は、長く勝ち続けることができない考え方だと賢い投資家たちが教えてくれています。

ちなみに、大陽線の定義は時価に比べて5%上昇とか10%上昇したら大陽線と定義する人もいますが、本当にトレードをしているのか疑わしいものです。

WEBメディアや書籍で紹介されているローソク足の長線の定義はおかしい

上のチャートは、日経平均ですが相対的に長いと思う陽線を計算してみただけで1.4%[(終値-始値)÷始値]で、中くらいかなって思うローソク足が0.7%、小さいかなって思うのが0.3%でした。

それ以下はコマでいいかなと思います(これらは相対的でとくに決まりはないということです)。

ちなみに、著者が実際に売買しているのか疑わしい書籍やWEBメディアでは、チャート右側の化け物みたいな陽線でないと大陽線と定義されないようですね。

話が脱線しましたが、坊主系のローソク足について、はじめての人でも分かりやすく体系的にまとめて解説していきましょう。

陽線の坊主系ローソク足

陽線の坊主系ローソク足は、底値圏で非常に効率よく利益を生み出すシグナルなんで重宝しています。

投資家心理としては、イケイケの状態です(ローソク足1本だけで考えた場合)。

3種類あって、どれもローソク足1本の期間や時間中の上昇圧力が強かったのですが、その中でも序列があるので下の図で確認していきましょう。

陽線坊主3種類とそれぞれの強さを比較

※寄り付き=取引開始時間、大引け=取引終了時間のことです。

①陽の丸坊主

陽の丸坊主のローソク足と場中の値動き

陽の丸坊主は、結果として取引が始まった時間から終わるまで、全開で上昇している状態を表します。

もちろん買う人がいるということは、その対となる売る人もいるので、全会一致で買いというわけではありません。

例えるなら、売りの発言はすべて却下されて圧倒的多数である買いで合意した結果の株価となったと考えてもらえればいいでしょう。

つまり、売りが軒並み吸収される激しい上昇の展開であったことが分かります。

坊主3種類の中では一番強い形ですが、できればかなり安い位置で出現した方が(下放れたり)買いやすく有利な取引ができるでしょう。

私は、明けの明星や下落後の抱き陽線、差し込み線の陽線が陽の丸坊主だと転換の期待が高いと思っています(陽の大引け坊主や寄り付き坊主でも同じことが言える)。

②陽の大引け坊主

陽の大引け坊主と場中の値動き

取引時間直後にいったん下落した株価が強い買い圧力によって上昇して引けまで買い上昇が続いた状態を表すローソク足です。

取引時間直後でなくても、もみ合いの中、一旦下落してから上昇したとも考えられますが、長い陽線を引いているので時間的に早い時間に下落してから上昇したことが想像できます。

しかし、FXのような1日の時間が長いローソク足の場合は、ちょっと変わってくるので注意してくださいね(5分、1時間などの場合は同じ考え)。

③陽の寄り付き坊主

陽の寄り付き坊主と場中の値動き

寄り付きから一貫して上昇をしたが引け間際で若干の売りが出たローソク足です。

基本的に大陽線なので強いのですが、取引時間終了間際に売りがでたのが気になりますね。

これが何を表すのかは、現在のトレンドや株価の位置によって変わってきます(私は、かなり上昇した後とかヒゲが長かったら少し変化が出てきたかな?といった感じで値動きを感じ取ってますね)。

陰線の坊主系ローソク足

陰線の坊主は、陽線の坊主と不等号が逆になります。

ローソク1本だけで判断する投資家心理は絶望的です(組み合わせで変わるが)。

基本的な強弱は、下図で確認してみてください。

陰線坊主の種類と強さ

ちなみに、ローソク足になれてない人でもローソク足単体の意味なら、チャートを見て確認しながら分析していけば、自然と覚えられるというか意味を考えれば理解できるので、すぐに覚えられなくても落ち込むことはないですよ。

私もはじめは苦労したものです。

①陰の丸坊主

陰の丸坊主の形と場中の値動き

寄り付きから大引けまで売り一辺倒の状態という結果を表すローソク足です。

天井圏で出現すれば、トレンド転換か少なくとも一旦下落に向かうと読んでも差し支えないでしょう。

②陰の大引け坊主

陰の大引け坊主の形と場中の値動き

寄り付き後、一旦買いが優勢だったが次第に売りが優勢になり引けには売り一辺倒の結果だったことが分かるローソク足です。

陰の丸坊主に次ぐ弱さを表し、相場転換か一旦の下落がくる可能性が高まります。

③陰の寄り付き坊主

陰の寄り付き坊主の形と場中の値動き

取引開始から途中まで売り一辺倒だったのだが、終盤ごろに少しずつ買いが優勢になってきて取引時間が終了した状態を表すローソク足です。

底値圏で出現すれば、底を暗示している場合も多いです(ひげが長いほど有効)。

ここまでで、坊主系ローソク足の基本的な解説は終わりですが、私と同じスイングトレードをする人なら日足が出来上がった後、5分足で中身を確認してみると覚えが早いですよ。

実戦での使い方

チャートをパッと見た感じでは、よく分からないかもしれませんが、坊主系ローソク足の多くは、天底・だまし・上昇下落途中に現れることが多いです。

私の場合、天底で出現すれば、トレンド転換を暗示しているか、少なくとも押し目になる可能性があるとにらんでいますね。

だましは後ほど解説します。

そして、上昇・下落トレンドの途中で出現した場合は、問答無用でキープができます(ただし、なんでもない位置での大きな窓明け上昇の場合は考えますが)。

上昇後の天井を暗示

上昇後に大陰線が出れば、下落を警戒するべきなのですが、陰の大引け坊主で上ヒゲが長いものは特に警戒を必要とした方が良いでしょう。

陰線の坊主が天井付近で出現したチャート

実戦的には、上ヒゲできれいな大引け坊主になるだけでなく、上も下も長い大陰線で下落することも多々あったり、陰の丸坊主や寄り付き坊主も多く出現します。

大きな上昇の後の大陰線はどちらにせよ警戒が必要なので、私の場合、3月またがり60日のアノマリー波動や移動平均線の需給関係と合わせて天井を探るようにしています。

また、マーケットの尻尾と頭はくれてやれ!という格言通り深追いしすぎないのも一つの手だと思っていていつも心に留めてますね。

さらに、陽線の坊主系ローソク足が出ても最後の抱き陽線だった場合は、相場転換の可能性があるので注意が必要ですよ(最後の抱き陽線の出現率は意外と少なくて、出現後少しもみ合って下がる場合が多いです。やっぱ抱き陰線の方が多いですね)。

抱き線については、下記の記事で学ぶことができますのでローソク足での相場転換の見抜き方についてもっと知りたい人はご参考ください。

下落後の底を暗示

大きく下落した後の底を暗示するのは、長い下ヒゲ陽線や陰線です。

そうすると、陰の寄り付き坊主や陽の大引け坊主が活躍するのですが、 実は、ローソクの実体に関わらず、下ヒゲが長い場合はそろそろ底ではないだろうかとあたりをつけることができます。

陰の寄り付き坊主が底だったチャート例

上のチャートは、極端な例ですが、暴落後には大きな陰の寄り付き坊主が底になることも珍しくありません。

また、以外にも陰の坊主が底だったりする場合もあるのですが、ゆっくり長く下落してきた後、最後に大きく売られてその後上がったなんてことがよくありませんか?

いわゆるセリングクライマックスと言われるものですが、大きな陰の丸坊主を付けた後、隣に陰の陽はらみのような形が出現する場合が非常に多くて絶好の買い場となるのです(上のチャートも陰の陽はらみになっています)。

底での大きな動きはチャンスなので、色々なパターンを研究してみるとレベルアップしますよ。

だましに合わないようにするためには?

チャートを見ていたら、思いっきり大陽線でしかも丸坊主だったから飛びついたら、その後冴えない動きになってしまって損切ってしまったなんてことありませんか?

下記は、その中でも悲惨なパターンです。

陽の坊主が出現したので買ったがだましだったチャート例

チャートでは、思いっきり元気が良い陽の坊主が二回も出たので飛びついたら大きな下落になってしまった。

実は、移動平均線の位置を見るとプロでも難しい箇所なんですね(移動平均線の需給バランスの話はまと今度します)。

こういう場合は、買わない(移動平均線で見抜く)か逆行したらすぐに損切をするか、建玉の操作で売りに変換していくかの3パターンで対応します。

やり方については、違う記事で書く予定ですが、こういっただましは他のテクニカル指標や売買技術でカバーする必要があると覚えておくといいですよ(ほんの一例ですが、ボックスでの出現など色々あります)。

なお、酒田罫線法を起源とするローソク足の基本的な動きや形は、その本質について理解していないと実践ではほとんど活かすことができないでしょう。

残念ながら、マイナスに作用することも多々あります。

ローソク足の本質と正当な酒田罫線法、そしてその弱点をカバーした売買法については、私のnoteで公開していますので参考にしていただければと思います。