
この記事は、下記の人へ向けた内容となっています。
- 明けの明星と宵の明星の型を確認したい
- 投資家心理が分からない
- 使い方が分からない
- 似たような型との関係を知りたい
酒田罫線法では、明けの明星は底型、宵の明星は天井の型と伝えられています。
両者は、酒田罫線法の三川と呼ばれる3つのローソク足で成立する型に分類されて、出現すればはっきりと見分けがつきます。
ところが、最後の大陽線や大陰線が化け線になることも少なくありません。
初心者に好まれやすい型の一つで有名ですが、実のところ、その運用方法は難しいのです。
この記事では、三川明けの明星と宵の明星の基本から運用方法まで、あまり語られない実践的な情報を書き残しましたので参考にしていただければと思います。
三川明けの明星と宵の明星の基本

明けの明星は、下降トレンドの終盤頃、大陰線で引けた次の日に、下へ窓を開けて寄り付いたが日中大きな変動なく終了、その翌日、上へ窓を開けて寄り付いた後、大きな大陽線で買い方が圧倒した形になって完成します。
宵の明星は、上昇トレンドの終盤頃、大陽線で引けた翌日に、上へ窓を開けて寄り付いたが日中大きな変動なく終了、その翌日、下へ窓を開けて寄り付いた後、大陰線で売り方が圧倒した形になって完成します。
2日目のコマ(星)は、陽線でも陰線でも成立します。
型というものは、崩れた形ででることがほとんどです。
明けの明星や宵の明星も崩れて出現することが多いですが、似たような型にたくり線や捨て子線があります。

捨て子線は、2日目のコマが十字線になった型。
2日目を挟んで、流れが変わったという本質は、明けの明星と変わりありません。
タクリ線は、2日まで明けの明星とほとんど同じ意味ですが、3日目は前日の終値より下で寄り付いた後、大陽線をつける型です。
これは、買いが入ってきたが、3日目の朝まで悲観がぬぐえない投資家が多かったことを表しています。
捨て子線・たくり線は、逆にすれば天井の型になります。

これは、底型の反対の意味を表しています。
どちらにせよ、明けの明星と宵の明星、その2つの崩れの型は、買い手と売り手の需給バランスに変化が起きたことを表しています。
その変化は、窓開け・大陽線・大陰線からも分かるように、下げから下げ止まって上げたり、上げから上げ止まって下げる過程にメリハリがあるので非常に分かりやすいんですね。
投資家の行動と心理
明けの明星は、セリングクライマックスから上げ転換の初期を表しています。
セリングクライマックスでは、市場で最も脆弱な投資家が持ち株を手放したり、底値で空売りをする場面です。
次の日の朝、窓を開けて下げると、ほとんど売り物がなくなったか、あったとしても、それに対抗する買い手の出現があり、価格がほとんど動きません。
さらに翌日、買い手の追撃や新たな材料がきっかけで空売りの買戻しも巻き込み、大きな大陽線を立てます。
以上の投資家の行動から、この3日間は、相対的に出来高が増える特徴があるのです。
なぜなら、脆弱な投資家、日和見の投資家、新たな買い手、買い戻しする投資家のすべてが参加する場面だからです。
宵の明星は、バイイングクライマックスから下げ転換初期を表しています。
バイイングクライマックスでは、カモになる投資家がプロやセミプロから株を買い受けます。
カモになる投資家は、個人投資家が多いので現物買いだけでなく信用買いもします。
次の日の朝の寄付きもカモになる投資家は出現しますが、思った以上に価格は伸びません。
プロやセミプロは、カモに気づかれないように少しずつ持ち株を売るので上値が抑えらるからです。
さらに翌日、何かの出来事をきっかけに大量の売りがでます。
この出来事は、きっかけにすぎないので株価に直接影響を与えるニュースじゃないときもあります。
天井圏では、利益がパンパンに膨らんだ投資家が売るきっかけを常に探しているのです。
この一連の流れから、明けの明星と同じように3日間の出来高が相対的に増える傾向にあるんですね。
ただし、2日目は、1日目と3日目に比べて出来高が少なくなる場合もあります(その銘柄の出来高全体で比較すると決して少なくはないが)。
実践時の注意点
実践での注意点は、明けの明星・宵の明星ともに3日目の大陽線・大陰線が化け線になる可能性があることです。
勢いが強いので、次の日から転換し始めることはまれですが、2,3日順行してから徐々に失速して、元のトレンドに戻ってしまう場合があるのです。

宵の明星にも同じことが言えます。

ただし、明けの明星と宵の明星自体、出現頻度が低いのもあって、だましの確率もそんなに高くありません。
これは、銘柄によっても癖がるので自分の売買してる銘柄がどうなのかチェックしておくといいですよ。
だましの対策は、下記の4つのことを意識することです。
- 一発必中の当てもの的売買をしないこと
- 試し玉から入ること
- 明けの明星は底練りから上昇に入ってからの方が信頼度が高い
- 宵の明星は天井圏から下降になってからの方が信頼度が高い
1~4のこととから分割売買の手法を用いることと中勢的なトレンドでの逆張りに注意をすることが化け線対策になるわけです。
なお、酒田罫線法を起源とするローソク足の基本的な動きや形は、その本質について理解していないと実践ではほとんど活かすことができないでしょう。
残念ながら、マイナスに作用することも多々あります。
ローソク足の本質と正当な酒田罫線法、そしてその弱点をカバーした売買法については、私のnoteで公開していますので参考にしていただければと思います。
購入者様へお知らせ 2020/11/4に、より実践で役立つと思うポイントを3項目追加+1項目更新しました。更新状況は、目次の日付で確認できますので、空いた時間に学習を進めていただけたらと思います。 -------本文はここからです------- 多くのトレーダーが日々解析に励むローソク足。 型をしっかり覚えたのに、実践で役に立っているような、いないような・・・そんなモヤっとしたものになってないだろうか? 何事も基礎が大事ですが、基本の教えについて本質を理解していなければ、実践で活かすことはできません。 むしろ、ローソク足の強弱で心が乱されるので、折れ線グラフにした方がいい
また、試し玉から入る分割売買は、うねり取りという手法で真価を発揮します。
うねり取りについては、下記の記事で解説していますのでご参考いただければと思います。
株式投資のうねり取りのやり方を解説した記事。