
この記事は、下記の悩みを持つ個人投資家に向けて書きました。
- レンジ相場が完成する前に予想できないか?
- レンジ相場の判断はどうやってするか分からない
- 気が付いたらレンジに巻き込まれるので回避できるようにしたい
記事を読むことで、レンジ相場の形成について理解できるので、一歩手前でレンジを疑うことができ、あらかじめレンジに備えることができるようになります。
また、レンジ相場の上げ下げで振り回される人は、レンジを回避するヒントを得ることができますよ。
この記事は、私の実際の経験と検証に基づいて書きました。
私もレンジ相場を実践で使えるレベルになるまで理解できたことで、トレードの質がぐんと上がりました。
少しでも読者のトレード向上のヒントになれば幸いです。
【実績】2019年9月から12月までの株式投資の収益公開(過去は2015年から公開してます)
レンジ形成を待っていたら遅い?
レンジ相場は、もみ合いが出現してからでないと100%は判断できません。
下の図は、こんなにきれいに株価が動くことはめったいにないのですが、レンジだと判断できる位置です。

しかし、レンジの把握ができない人でも株式投資の実践者なら、この位置でレンジが分かったとしても対応できないのでは?と思うでしょう。
確かにその通りです。
下の図のように、レンジ形成後、すぐにブレイクしていく可能性もあるからです。

この構造は、フラクタルに動いていて、波が大きくても小さくても同じです。
たまに、長いレンジが続く場合がありますが、その時は、上の図のように上下に水平線を引けば分かるので問題ないと思います。
レンジが形成されやすい箇所を知っておく
レンジを対応するには、あらかじめレンジが形成されやすい位置を理解しておくと便利です。
結論から言うと、レンジは基本的に、価格が大きく動いた後に形成されます。
具体的には、波動ごとの天井や底。
そして、トレンド途中の修正場面です。
理由は、需要と供給のバランスが崩れ、一方に価格が動き出すと、どこかで需給が元に戻ろうとするからです。
例えば、株価が上昇してくると、そろそろ利益確定したかったり空売りしたい投資家がでてきます。
逆に、もう少し長くトレンドが続くのではないかと思った投資家が押し目を狙っているわけです。
利益確定などによって下落すると、押し目買いの投資家が買い、価格が上昇しますが、はじめの下落を見た投資家が今のうち売っておこうと思って売ったらまた下がります。
それをみて、押し目で買いそびれた投資家がまた買ってくるということを繰り返すと需要と供給のバランスがとれて、レンジ相場の動きになるわけです。
だから、この期間が長いほど、株価の需要と供給が保ち続けられていると見たり、レンジの期間が短くてすぐにどちらかの方向に向かえば、向かった方向の動きが強かったと判断することができるんですね。
この考え方は、チャート上で投資家の動きを読むうえで使えるので、いろいろと応用してみてください。
”価格が大きく”の意味を穿き違えてはいけない
書籍を読むときも同じですが、トレードの知識を吸収しようとするとき、どうしても自分の時間軸でイメージしがちです。
例えば、私が”価格が大きく動いた後にレンジ相場に入りやすい”といったら、人によってとらえ方が変わってくるかもしれません。
日足の小さな波をイメージしている人、大きな波のことをイメージしている人、長期投資家なんかは、週足や月足でイメージするかもしれません。
私が言っている価格が大きく動いた後とは、相対的な大きさを示しています。
例えば、日足で7日上げた後、需給が拮抗してレンジになる場合もあるし、何ヶ月も上昇した後にもレンジ相場が出現します。
極論言えば、3本陽線が出ただけでも、連続性が止まって上げ下げを繰り返すことがあるのです。
昔から、トレンドは3単位と言いますが、日足ならローソク足3本、5日線ベースなら2回の押しと3回の上げ、3ヵ月周期の上昇なら5日線上のベースを1セットとした上げ下げで2回の上げと3回の上げで動くことが多いのです。
※下落は上昇の逆と考えます。
つまり、レンジは大小様々存在し、経験から言うと、トレンドが大きくなるほど期間が長くて大きなうねりのレンジを形成しやすいですよ。
少し早めにレンジを判断する方法
レンジが出現しやすい箇所が分かれば、その位置で価格が上下しはじめたら、まず、レンジを疑います。
トレンドが大きくなればなるほど、ファンダメンタルズでよほどのことがなければ一発転換することは少ないです。
例えば、大きく下落した後は、押し目なしのV字で上げてくることは、ほとんどないでしょう。
必ず、価格が上下しながら上げてきます。
そして、押し目ありでもV字で上げてくることを想像するより、価格が上下し始めたらレンジを疑うといいでしょう。
例えば、下のチャートは、株価が上昇してきた後、短期間のレンジになった場面ですが、私なら、上昇で押し始めた時(A)から、レンジを疑います。

それと同時に、Aの前の高値の陽線を越えられるか確認。
その後、陽線2本で上伸した後、ふたたび押しをつけます(B)。
そして、Cの位置では、Aの後の上げより勢いがなくなり、上髭の陰線をつけました。
このCの時点で一旦、Bの前の高値とBの終値から水平線を引いてみるのです。
その後、Bの前の高値を越したり、Bの終値を割るかどうかを着目しながら、レンジの存在を認識していくといいでしょう。
途中、ブレイクして再び水平線に戻る動きを見せた場合は、水平線を引き直したりして、調節していきます。
下落後は、この逆だし、もうちょっと大きなうねりでも同じような考え方をして応用してみるといいですよ。
この見方が分かれば、初心者ならトレンド方向にブレイクアウトするのを待ってエントリーしないようにしたり、中級者以上なら、トレンド方向の玉を貯めておくという戦略をとることができますよ。