
「PERの数値からどのような投資判断や考え方をすればいいのか知りたい」
この記事は、このような疑問を持つ株式投資の初心者向けに、PERの基本的な読み方から相場を深く読むための見方についてしっかりと解説しました。
記事の内容は、株のトレーダー兼投資家である私が実際に企業分析する際に確認している見方なので参考にしていただければ幸いです。
PERの基本的な見方
PERとは株価収益率という日本語を英語にした「Price Earnings Ratio」の頭文字をとったファンダメンタルズ指標です。
PERの計算式は、PER=株価÷1株あたりの利益(EPS)です。
この計算式から分かることは、企業の収益に対して現在の株価がどのくらい評価されているか?ということです。
基本的な評価の仕方は、株価が収益の何倍になっているかであり、それが銘柄の割安・割高を判断する基準となります。
今の地合いなら大まかな基準として15倍以下なら割安と言われていますが、これは時代によって変わります。
例えば、市場平均のPERなら1980年~1990年のバブルのころでは、70倍や80倍という数値が出ていたし、ITバブルのころでも55倍という数値が出ていました。
現在なら、おおむね13倍くらいで売られすぎ、15倍くらいでちょうどよい、20倍で買われすぎくらいの感覚です(市場全体でという点を注意)。
注意点として、PERを見るときは、決算短信で発表された企業の収益予測(予想EPS)に基づいて計算された予想PERを基準にするのが基本です。
なぜなら、株価は将来への期待で動いているからです。
そうすると、企業の予想収益が未定の場合は当然ながら予想PERが分からない状態になります。
PERを使った投資の考え方
PERには、市場全体から評価するマクロな見方と企業ベースで評価するミクロな見方があります。
マクロな見方
マクロな見方は、市場平均や業種別のPERと比較して割安かどうかを判断します。
特に、安定した大型株に有効であり、企業のミクロ判断をしても、これといって懸念材料がないのに平均的なPERより低いときは、出遅れ株として投資チャンスとなり得る場合があります。
一方、市場全体で判断したときPERが下がってきた時点で買いを急いではいけません。
特に、先行業種のPERが下がってきたときは、下降トレンドの始まるの可能性があるからです。
市場全体の転換をみるときは、先行業種のPERが上がってきたところを一つの判断とすると失敗が減るのです。
ミクロな見方
ミクロな見方は、企業そのものの価値で判断することです。
PERを使った分析の場合、PERで現在の割安度を確認して、他の要素で将来人気が出る可能性があるかどうかを判断します。
なぜなら、PERは人気度を確認する指標ともいえるからです。
この根拠は、PERの計算式をいじってみれば分かります。
PER=株価÷1株あたりの利益(EPS)
株価=EPS(収益力)×PER(人気度)
つまり、株価が上昇する要件は、企業の収益力とそれを評価する投資家の人気が相乗効果です。
実際の考え方は、例えば、現在PERが7倍でビジネス的にも問題ない銘柄を見つけたとします。
そして、材料の可能性に注目して、企業が進めている〇〇の事業の見通しが立ってくると投資家から注目を浴びる可能性が高いと思うから今のうちに投資してみるかといった判断ができるのです。
また、しっかりとした財務をしていて少しずつ利益が伸びているのにPER(人気)が低い銘柄があったとすると、まだ多くの投資家によって気づかれていない場合があります。
特に、2部や新興株などでは、こういった銘柄が放置されていることあるので東証1部への昇格や増配の気配などを探り投資できるかどうか判断するのです。
一方、将来の見通しがないのに、単純に人気がなくなって(PERが低くなって)放置されている企業を選んではいけません。
こういう株は、何かビジネス的に問題を抱えている可能性があり、長期間株価が低迷する可能性があるからです。
PERをこのように考えると、数値だけでなんとなく投資している状態から投資家としての判断で投資しているという実感が湧いてきますよ。
PERは人気化した成長株には使えない
あなたも企業分析をしていて気づいているかもしれませんが、成長株は恒常的にPERが高い傾向にあるので、PERで割安・割高を判断することができません。
人気化した成長株の場合、PERの代わりにPEGを利用します。
PEGをざっくり説明すると、期待されている成長率に対して現在どのくらい株価が織り込まれているかを判断する指標です。
外国人投資家は、PERよりPEGを重視する傾向にあるので、外国人投資家が参加しやすいメジャーな超大型銘柄に投資する際は、PEGもチェックすることをおすすめします。
資産運用に悩んでる人・将来の不安がある人へ
はじめに厳しいことを言って恐縮ですが、資産運用したいけど何から始めればいいか分からなかったり、なんとなく将来への不安がある人は、資産運用・資産形成術などお金全般に関する知識と行動力が足りていないと言わざるを得ません。
ただ、お金に関する正しい知識を得るには、正しい情報を取得しなければいけませんが、今の情報社会では、どの情報が正しいのかを取捨選択することも難しいものです。
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しかし、本は売らなければならないので、どうしても大衆迎合した内容になってしまいがちで、本当のところを具体的に解説してくれるものは皆無といっていいでしょう。
私もお金に関するセミナーに参加したり、数えきれないほどの書籍を買い漁りましたが、結局、多くの人が語ることの共通点を見いだし、自分で考えるしかないのです。
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