MACDの見方

この記事は、下記の悩みを持つ個人投資家向けに書きました。

  • MACDがチャート分析に役立つ本質的な理由を知りたい
  • 実践的なMACDの分析方法を教えてほしい

ネットの記事や動画を見ると、基本的な分析方法は書いてあるけど、実践的な分析方法を公開している人が少ないなと感じました。

その辺を踏まえて初心者でも分かるように、基本から実践的な内容まで解説しました。

MACDとMACDヒストグラムの基本的な使い方は動画で!

記事では解説しきれない基本的な情報は、動画で解説しました。両方を活用して学習を進めていただければと思います。

MACDで分析できること

基礎知識は、後から説明することにして、はじめにMACDで何を分析できるか?から話を始めましょう。

MACDは、現在のトレンドを把握するのに適したテクニカル指標です。

反応が早いMACDラインがMACDシグナルラインより上であれば上昇トレンドが継続していると推測できるし、MACDラインがMACDシグナルラインより下であれば、下降トレンドが継続している可能性が高いと判断できます。

MACDでトレンドを分析したチャート

次に、流布本では、2本の線がクロスしたときのように、サインを発するときがあるとされています。

しかし、実践的には、サインとなる場合もありますが、あくまで、優位性のある位置の把握として使い、ローソク足やストキャスティクスなど他の指標を利用した方がいいと私は思います(上図はたまたま上手くいってますが)。

逆に、私の場合、買ってはいけないところ、売ってはいけないところを把握するのに使っています。

なぜなら、私の手法は、1発買いや売りを前提としていないうねり取りなので、大体のエントリーポイントの位置とやってはいけないところが分かれば、非常に有効なのです。

本質的な基礎知識

MACD(通称マックディー)は、日本語に訳すと移動平均収束拡散手法になります。

株の値動きは、収束と拡散を繰り返し、収束から拡散するときにトレンドがでやすいという特徴を利用したテクニカル指標です。

MACDは、3本の指数移動平均線(EMA)から成り立っていまうす。

EMAは、単純移動平均線(SMA)と違い、直近の価格にややウェイトを置いた計算方法で表した線で、SMAと比べて、直近のボラティリティに早く反応する特徴があります。

MACDの計算方法

MACDは、3本のEMAから成り立っていますが、実際のチャートに表されるのは、MACDラインとMACDシグナルラインの2本です。

MACDのラインを解説したチャート

MACDラインは、2本の指数平滑移動平均線(EMA)の差を実線にしたものです。

デフォルト設定では、12と26日のEMAを使っていることが多いです。

そして、MACDラインを指数移動平均線にして滑らかにしたものがMACDシグナルラインなんですね。

デフォルト設定では、9日EMAが使われていることが多いです。

利点

MACDは、3本の指数平滑移動平均線を利用していることから、1本の移動平均線よりだましが少なく、場合によっては早くトレンドを把握できます。

すなわち、ボラティリティが急激に上がった場合は、早く反応して、サインを出してくれます。

逆に、徐々にトレンド転換した場合は、反応が遅いという欠点があります。

だから、チャートに合わせて、デフォルト設定の期間を短くしている人もいます。

私の場合は、チャートの値動きを基準に判断し、日足と週足の両方のMACDを確認して、他のテクニカル指標も合わせて判断するので、今のところデフォルト設定で分析しています。

また、一旦反応して、しばらく下がってから上昇し始めることもあるのです。

しかし、比較的、精度が高いのでトレーダーの間で人気なんですね。

サインと分析

一番ベタなサインは、MACDラインとMACDシグナルの2本の線がクロスしたら買いか売りのシグナルになります。

MACDラインがMACDシグナルを下から上に抜けば、ゴールデンクロスとして買い、その反対ならデッドクロスで売り判断ということになるわけですね。

理由は、買い手と売り手の需給バランスに変化が生じたのではないか?と疑うべき点に差し掛かったという合図だからです。

つまり、MACDでは、クロスしたときに転換と判断しているわけですね。

ただし、先ほどもお話ししたとおり、今までのトレンドとボラティリティが強い逆行が見られた場合は、MACDが速くサインを表し、少しずつ上昇してMACDがサインをだしても、そんなに上昇せず下げたり、少し上げて下げることもあります。

こういう特徴があることから、日足だけでなく、週足のMACDも確認するのです。

週足ベースのMACDの転換があれば、日足の転換と比べてトレンドが長く続く可能性があるので、タイミングが掴みやすいでしょう。

ただし、日足ベースのMACDも週足より早くシグナルを発するので、打診的な取引が可能です。

どちらにしても、チャートの値動きを重視して見ないとフェイクに引っかかってしまうので注意してくださいね。

基本は、しっかりと押したところ、しっかりと戻したところで確認することです。

つまり、中期的な転換を捉えるつもりでMACDを見るとフェイクに引っかかりづらくなります。

だから、チャートを深く見ず、単純にMACDがゴールデンクロスしたから取引するというやり方は、フェイクに引っかかる場合もあるのです。

また、MACDは、クロスした直後にエントリーしたとしても、中波動の変化を表すので、損切りまでの位置が大きくなる場合もあります。

これを防ぐには、私の場合、週足でMACDを確認した後、有利な位置でエントリーするために、ストキャスティクスを利用するようにしています。

ダイバージェンス

MACDで重要ななのは、チャンスは少ないけどダイバージェンスの概念です。

ダイバージェンスは、価格とMACDが逆相関した状態で、短期的に需給が片方に行き過ぎた状態を表します。

ダイバージェンスを解説したチャート

中期的な天井圏で出現すれば、この後に買ってくる人はいないだろうと判断できるし、中期的な底値圏で出現すれば、もう売り手がいなくなった可能性が高いと判断することができるのです。

いわゆる、セリングクライマックスやバイイングクライマックスを確認するんですね。

週足で出現することで、中期だけでなく長期的なトレンド転換を掴めることもありますよ。

ダイバージェンスは、例えば、Wボトムやトップなら、初心者でも値動きを見れば、ある程度、判断できますね。

ところが、三尊・逆三尊の場合、右側のカップか逆カップが完成するまで判断できないでしょう。

もちろん、出来高の増加やトレンドが続いた日柄、最後の伸び具合から、そろそろかな?と感じ取ることができますが、それだけでは、なんとなく心もとないと感じる人が多いと思います。

そういうときは、ダイバージェンスを一つの指標として使うといいですよ。

チャンスは、少ないですが、確率は高いので、エントリーできないとしても、幸運にも天井近く、底近くまでポジションを持って行けたなら、最高の利益確定のポイントとして判断することができるでしょう。

今回は、以上です。

同時に表示すると役立つMACDヒストグラムは別記事で解説しますね。