
この記事は、株価が下がったときに利益が得られる空売りに挑戦してみたいけど、世間では、空売りは危険で怖いものという風潮があるので、その理由と事実について実践者に聞いてみたい人向けに書きました。
結論から言うと、空売りが危険かどうかは、マーケットに参加する投資家やトレーダーのやり方次第です。
このことは、実は、買いでも同じことが言えます。
この記事を読んでいる読者なら、株式投資の買いでのエントリーなら少なからず経験があると思います。
もしかしたら、すばらしい利益を上げている人もいらっしゃるかもしれませんね。
では、そんなあなたから見て、株式投資についてロクに調べもせず、株式投資は怖いとか危ないと言っている人を見て、どう思うでしょうか?
きちんと勉強して、リスクを計算しながら利益を上げてきた人から見ると、言葉は悪いですが、滑稽に思えるはず。
私から見れば、株式投資をしていて、空売りが危険だという人を見ると、それと同じように滑稽に見えてしかたがないのです(もちろん、これから勉強しようとしている読者はこれに当てはまりません)。
この記事では、その理由に触れていきますので、どうして世間では空売りが危険と言われているのかご納得していただければ幸いです。
筆者は、アナリストでも評論家でもなく、視聴者数稼ぎのために大損失自慢を発信しているタレントYoutuberでもなく、実際にマーケットにお金を入れて利益を出し続けている実践家であり専門家です。
その経験と知識、そして検証結果から記事を書いているので、投資本をチョロっと読んで書いただけの雇われライターとの違いを感じとれると思います。
空売りが怖いと言われる理由
空売りが危険だと思っている人の多くが投資が下手な個人の長期投資家かリスクを顧みず危険な取引をしてマーケットから退場したギャンブルトレーダーの意見だと思います。
実際に統計を取っていないので分かりませんが、短期売買で利益を出している人で、空売りが危ないからやめた方がいいなんて思っている人はおそらくいないでしょう。
もちろん、技術の習得段階において得手不得手はあって上手くいっていない人はいますが。
彼らは、本来、空売りは長期投資家のためにあるということを知らないのです。
実は、株価の下落や暴落時に長期投資家の短期的な資産の減少を抑えるヘッジ機能として空売りが存在するのです。
ところが、海外のヘッジファンドは、その仕組みをうまく利用して、利益を上げているという印象が強いので、それを見た嫉妬深く勉強不足な日本人が海外投資家だけ儲けてずるいと怒り空売りは廃止しろと言うわけですね。
そういう人たちは、こぞって言います、「空売りは危ないからやめておけ」と。
しかし、怒っているその人自身にも空売りできる権利はあるのです。
ただ、その使い方、やり方、利益の上げ方を知らないし、学ぼうとしない。
なぜなら、現物株を思考停止で持ち続けることは超簡単で楽だからです。
逆に、空売りは、信用取引なので6ヵ月以内に買戻ししなければならないという義務があります。
すなわち、期限付きの売買契約なので長期投資ができません。
そうすると、思考停止に空売りの権利を持ち続けることができないので、売買技術が必要なのです。
売買技術がない人が6ヵ月以内の短中期売買をすれば、それは負けても仕方ありませんね(同一条件なら買いでも同じことが言えるでしょう)。
株式投資でマーケットから退場した人は、「株式投資は危険だからやらない方がいい」と吹聴するでしょう。
恐らく、「株式投資は、きちんとリスクを回避して売買技術を身につければ安全だけど、僕はそれができなくて破産したんだ、、」なんてことは言わないはず。
それを聞いた周りの思考停止した人が「株式投資は危険だ」と広めるわけです。
そして、それは空売りが危険だという話にもあてはまるのです。
空売りが有利な理由
どんなに自分が正義のため、会社を応援するためと言っている投資家でも、必ず利益確定で株を売ります。
恐らく100年以上株を持ち続けるために買う人はいないでしょう。
なぜなら、利益確定をしなければ、利益が得られないからです。
いや、この前友達のおばあちゃんが亡くなられて昭和に買ったトヨタの株券が出てきたという話もありますが、例外的な話は置いといて(買ったことを忘れていたのかもしれませんし、それでも100年は経ってないが)。
もちろん、一生配当生活という人もいますが、配当は会社の業績が落ちれば減らされることもあるし、未来永劫、会社が存続するかは誰にも分からないので現実的ではありません。
そして、多くの資金を動かすプロの投資家や機関投資家は、必ず利益確定で株を売ってきます。
特に、機関投資家には利益を還元すべきお客さんがいますからね。
だから、少ない資金の個人投資家があれこれ言っても無駄なのです。
そして、地合いによっては、長く下落局面が続くこともありますね。
実は、ここ数年は、政策によるバブルが続きましたが、それでも半分は下がっています。
そして、バブル以外の時であれば6割程度は下げ局面なんですね。
バブルで株価が暴騰しているときに空売りするのは危険ということは理解できると思うのですが、なぜか株価が下がっているときに買うのが危険だと思う人は少ない。
空売りが怖くない理由
空売りでも買いでも、自分が損を出してもいい範囲というものを決めることができます。
空売りの場合、ここまで株価が上昇したら、損切りをするという方法です(エントリーのポジションサイズもコントロールしていることが前提です)。
トレードや投資で目標株価を予想する人はいますが、確かに予想することはある程度大事なのですが、それはあくまで予想で、当てることはできません。
しかし、損切りするぞという自分が決めたラインは95%以上その場所なのです。
たまに、窓を開けて踏みあげられることもありますが(よほどエントリーポイントが悪いのですが)、その瞬間に損切りすればいいだけです。
たったこれだけで、大きく財産を失うことを免れるんですね。
しかし、損切りについて不勉強だったり、検証していなかったり、ルールを破ったりすると、大きく上昇して大損してしまうのですね。
そして、その人が破産する頃に株価は下がりだすのです。
空売りより本当に怖いのは信用買いと暴落時の買い
昔から信用買いで財を築いた人はいないと言われていますが、信用買いはおすすめできません。
なぜなら、人からお金を借りて投資をしているため金利が高いのです。
よく空売りで追証になるからやらない方がいいという話は聞きますが、追証になるから信用買いはやらない方がいいという話は聞きません。
そして、なぜか暴落時に値ごろ感からの買いでエントリーする人がいるのです。
過去の統計を見て、買いと売り、トータルでどちらが利益を得ることができ損する確率が高いか見れば分かるのに(私の場合、暴落時の買いどころか底練りの株でも検証に検証を重ねてやっと手を出せる程度です。それほど怖いのです。)。
実は、値ごろ感だけで買う人たちほど欲望だけで動いているのです。
そうならないためには、たまたまバブル相場で利益を上げただけのマーケットの教祖の底当てゲームに煽られて投資判断をしてはいけません。
また、株式投資は博打ではありませんので、再現性の高い方法を選んで自分の手法にした方がいいですよ。
とはいえ、本当に本物の長期投資家も実在しているのも事実です。
そういう人たちは、ものすごいレポートの量と最新情報で企業の価値を判断し、10年後の経済状況と自分の投資しようとしている会社が対応できるかきちんと把握できている人なんですね。
こういった人たちは、暴落で一喜一憂しないし、寝れない夜が続くなんて全くありません。
しかし、一過性の長期投資家は、自分の財産が目減りしてくことに焦りを感じるのです。
そこが本物と偽物の違いなので判断の材料にしてくださいね。
ただし、本物の長期投資は、何人ものチームを組んだファンドなら可能ですが、個人では不可能ではないにしろ、非常に効率が悪いと言わざる得ません。
すべての事象が織り込まれていくチャートを勉強した方がいいと思いますが、投資のやり方は人それぞれなので無理強いはしませんが。