
この記事は、下記の悩みを持つ初心者投資家向けに書きました。
- 株式投資で損切りのやり方が分からない
- 損切りばかりでどんどん資金が減ってしまう
- 株式投資の基礎本通りにやっているのにうまくいかない
私もトレードを始めたころは、損切りばかりで中々利益が伸びませんでした。
逆に、損切りをしない取引もやってみたのですが、結局メンタルが持たなくて大底で損益を確定しまうなんて失態もありました。
しかし、それらの経験から損切りに対する本質的な理解ができて、現在では利益を出し続けるようになりました。
この記事は、利益を出し続けるようになった損切りに対する考え方の変化を元にまとめているので参考にしていただけると思います。
※投資の記事を書いているのに自分の収益を公表していない人は怪しすぎるので下記の記事で4か月ごとに収益をまとめています。
【証拠画像】2018年12月までの株式投資の実績(現在2019年4月まで公開)
まず損切りに対する勘違いを訂正する
損切りは、自分のリスクの許容外になったときに行います。
すなわち、トレードする前に決めていた自分が負えるリスクを越えたところで損を確定するわけです。
それが理解出来れば、株価が何%下がったら損切りすればいいのですか?という質問は愚問であることが分かります。
なぜなら、人によってトレード手法も違えば資金も違うので人から聞いた損切りのパーセンテージなんて当てにならないからです。
自分がリスクを負える範囲は、自分で決めないと永久に利益を出し続けることができないというわけですね。
これを理解していないと、自分に適した損切りルールを確立しようとしないので、基本書籍に書いてある損切りが大事だという言葉だけが先行して、下手な損切りを繰り返して損切り貧乏になってしまうのです。
もう少しヒントを付け加えると、リスクの許容範囲は、トレードなのか長期投資なのか、あるいは独自の読みで投資しているかで変わってきます。
また、うねりどりや波取り(リズム取り)に損切りという概念はありません。
しかし、うねりどりや波取りを勉強している人は、恐らくこの記事を読みにこないと思うので、記事を読んでいる多くの人にとって損切りが重要になってきます。
まずは、必要なところでしっかり損切りできるようにするため、なぜ損切りが重要なのか理解を深める必要があります。
なぜ損切りする必要があるのか?
損切りが必要な理由は、損失拡大と機会損失を防ぐためです。
損切りができない人は、このことが頭と心に入っていないため、いずれ戻るだろうと放置して塩漬けにしてしまうのですね。
損失拡大を防ぐ
前提として、1発掛けで短期トレードになればなるほど当てはまるのですが、自分が予想したほうと逆行した場合、自分の予想が外れているのですから、それ以降どのような動きになるか分からない状態にあるわけなので損切りをする必要があります。
分かりやすく言うと、トレードは損小利大が重要なので、自分がどれだけリスクをとっている状態か分からない状態を回避する必要があるのです。
すぐに株価が回復する場合もあれば、底なしと思えるほど下がっていく場合もあるし、ずっともみ合いを続ける場合もあるのです。
すぐに回復した場合は、損切りしなくて良かったとなりますが、底なしに下がっていった場合、メンタルが持たなくて損益を確定したら資産の大半を失うこともあるでしょう。
また、損益を確定せずとも時間的なロスが発生して次にお話しする機会損失に繋がるのです。
機会損失を防ぐ
1発掛けエントリーの場合、例えば買いであれば、下がった株価が戻るまで、どのくらいの期間がかかるか分かりません。
もし、あなたの手法に優位性があるのなら、何回もチャンレンジすれば利益がでるはずですね。
しかし、損切りできなければチャンレジできず、本来出せた利益を逃してしまうのです。
損切りをすることで、そのような機会損失を防ぐことができるのですね。
トレードする場合の損切りのやり方
トレードの場合は、主にチャートを使ったテクニカル指標で損切りラインを決定してラインを割ったら損切りをします。
初心者向けに少しチャートを使って解説してみましょう。
上昇トレンド

例えば、移動平均線の向きと、もみ合いトレンドを抜けたところで上昇トレンド入りしたと判断した場合(エリオット波動①)、本来なら②あたりでエントリーできればいいのですが、大陰線と大陽線が連なってエントリーできなかったとします。
エリオット波動③で上昇トレンドのインパルスが確認できたので、押し目買いを狙いに入ります。
そして、例えば④の修正波フラットを抜けた①で買いエントリーした例でいうと、損切りラインを赤線の位置に設定します。
これは、窓を開けて上げているのでフラットの天井に損切ラインを設定していますが、窓を開けていなければ、フラットの底辺にラインを設定してもOKです。
エリオット波動の⑤は、③と比べて伸びが期待できないので(たまに急上昇することもあるが)リスクをなるべく小さく持ってきたわけですね。
さらに詳しく知りたい人は、下記の記事でまとめていますのでご参考ください。
関連記事【簡単】株式投資で上昇トレンドの損切り方法【具体例で解説】
下落トレンド

こちらは、チャート左と右の山で大波動のW天井をエリオット波動③の位置で確認できます。
ここで、大きな反発なく横ばいからの下落だと空売りがエントリーしづらいですが、水平線が引ける18,000円手前で反落して大陰線をつけたので、順張りならここでエントリーします(トレンドラインを引けばもうちょっと早くエントリー可能)。
その時考える損切ラインは、18,000円手前かもう少しリスクをとると18,000円にします。
これを越えてくると、ラインより上で損をしていた人の売り圧力を振り切って上昇し始めたことになるので危険だからです。
もみ合い

もみ合いでの損切りラインは、一番理解しやすいと思うのですが、直近の安値とその前の安値を結んだラインが損切りラインです。
もみ合いの場合は、上のチャートのように波が大きくなければリスクリワードレシオが有利な値にならないので注意してくださいね。
重要なポイント
ちょっとした損切りポイントの一例を見せましたが、トレードの場合、そもそも優位性のある手法を使っていないと損切りポイントが機能しません。
優位性のある手法とは、そのポイントでエントリーし続けることで期待値がプラスになるやり方です。
毎回、同じ手法の元で同じルールでエントリーすべきであり、初心者ほど重要なことです(上達するとその中からさらに厳選してトレードする裁量トレードに移行します)。
もう一つ重要な点は、チャートにはノイズがあることを知ることです。
テクニカル指標は、高確率で機能しますが絶対ではありません。
突発的なファンダメンタルズの影響を受ければ、一度逆行してから予想した方向へ向かうこともあります。
こういった場合は、一度損切りしてからの再エントリーが必要なので、チャートにノイズがあることを知らなければ、メンタルが揺さぶられて再エントリーするための気力がなくなってしまうのです。
アマチュアほど杓子定規できっちりやろうとするし、それが正しいと思いこみ、エントリーの精度を上げることにいそしむので損切りできなくなってしまうのですね。
長期投資の場合のやり方
長期投資の損切りのやり方は、結論から言うと、投資した理由がなくなった時で 現在の株価は関係ありません。
長期投資は、何年も先の経済状況とその時の企業の社会に対する役割(役割が大きいのであれば企業価値が上がると予測できる)を予測して投資します。
だから、その予想をした根拠が崩れた場合が損切りのときです。
長期投資で時間をかけて損切りしてたら全然儲からないのではないかと思われるかもしれませんが、皆が見向きもしないような不景気に相当安値で大量の資金を仕込むのが長期投資のやり方なので問題ありません。
むしろ、損切りというよりかは、資金を引き揚げると表現したほうがいいかもしれませんね。
適当に素人が長期投資するぞ!といって買うものではないので、もしかしたら感覚がずれていた人もいるかもしれないので矯正しておくといいですよ。
また、ウォーレン・バフェットやジョージソロスのように教科書的なファンダメンタルズではなく独自の読みで投資する人もいますが、そういう人たちでも自分の読みとなる根拠が崩れたのなら資金を早々に引き上げるらしいですよ(これは本で勉強した知識です)。
損切りしないトレード方法
損切りしないトレード方法とは、確率論で一発エントリーするのではなく、買いと売りのポジションコントロールといった売買技術を使ってどちらへ行っても利益が上げられるやり方です。
損切りしないトレード技法には、うねりどりと波取りがあります。
これらの手法は、ここでは詳しく話しませんがナンピンとは全く話が違います。
確実に上がる見込みがあるときにナンピンをするなんて書いてある記事も見かけましたが、恐らく株式投資をやったことがないか利益を出していない人が書いた記事でそもそも確実に上がるなんてことはプロでも分かるはずがないですね。
もし、それが分かるなら借金+全財産を投入するはずだが、そんなクレイジーなことを確信を持ってやる人はいないと思います。
この記事の内容は、脱初心者向けなので別記事で詳細を解説しますが、ナンピンと戦略的分割売買は全く別物だということを覚えておくと、今後手法の練り直しをする機会があるのなら役に立ちますよ。