
あなたは、株のトレーダーがパソコンのモニター画面を何枚も使って取引しているシーンを見たことがあるのではないでしょうか?
モニターに映っているチャートは、複雑な指標がたくさん表示されていて難しそうだなっと感じたかもしれません。
しかし、実際のチャートの見方は、ものすごく簡単なので安心してください。
なぜなら、株のチャートも普通のグラフと同じだからです。
この記事を読めば、その理由が分かり、誰でも簡単に株のチャートを理解できますので、最後までお付き合いいただければと思います。
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本当は超簡単な理由
株のチャートというと、下記を想像すると思います。

上のチャートは、色んな指標が複雑に絡み合って非常に分かりづらいですね。
株のチャートは、縦軸が株価、横軸が時間になっています。そして、1日の最後についた株価を終値と言います。
本来のチャートは、この3つ(株価・時間・終値)だけでできたグラフです。

複雑な指標を表示する理由は、下記の3つです。
- みんなが使っているから
- 過去の値動きから未来の値動きを予想しようとする
- 一定のポイントでエントリーするため
1の理由には、何の根拠もないことが初心者でも分かると思います。
2について。多くの人が、チャート分析すれば先の動きを予想できると考えています。
とくに、初心者はその傾向が強いので、多くの指標を勉強して表示したがります。
ところが、株価が上がるか下がるかは、どの時点を切り取っても1/2なので意味がないどころかマイナスに作用します(今は理解できなくてもいいですよ)。
3について。2より少しレベルが高くなったトレーダーは、いつも同じところでエントリーすれば確率が1/2に近づくので優位性があると考えます(多くのトレーダーが確率51%以上で取引できるポイントがあると考えますが、もしあれば市場が崩壊します)。
しかし、株価を予測するという面においては、2と変わらないので勝ったり負けたりを繰り返す人がほとんどです。
未来の株価が上がるか下がるかは、誰にも分からないし、確実に予想することはできません(予想できないことと利益を上げられないことは別)。
プロの相場師に近づけば近づくほど、シンプルな判断に優位性があることに気づきます。
よって、最後は、上の罫線グラフを手書きで書くことに行きつくのです。
少し脱線しましたが、まずは、時間と株価・終値という簡単な見方を覚えてくださいね。
日足・週足・月足
先ほど、お見せしたチャートは日足チャートです。
日足チャートとは、横の時間軸が1日ごとに設定されているチャートです。
例えば、ある株の銘柄が6/1に1500円で取引終了したとします(取引が終了したことを”場が引けた”と言います)。
そうすると、その日の終値は1500円であり、グラフに記入します。
次の営業日の6/2は、1525円で取引が終了しました。
グラフには、1マス横にずらして1525円を記入します。

このように、日足チャートは横の時間軸が1日ずつ動いていきます。
同じように、週足であれば1週間の最後の営業日(祝日でなければ金曜日)の最後の取引価格(引け価格)が終値になります。
週足の横の時間軸は、1週ずつ動いていきます。
月足であれば、月終わりの営業日の引け価格が終値になります。
月足の時間軸は、1ヶ月ずつ動いていきます。
日足、週足、月足のように期間が長くなるにつれて、大きな動きをコンパクトに見ることができます。
しかし、本物のプロは、日足か月足のどちらかしか見ません。
なぜなら、中途半端な時間軸である週足を見ることによって、変動感覚がズレてしまうからです。
今はまだ、理解できなくてもいいですが、頭の片隅に入れておくといいですよ。
ローソク足がややこしく見える代表の指標
一般的に株のチャートと言えば、終値を繋いだ線でなく下のようなローソク足と言われる指標(インジケーターと言います)が表示されています。

上のチャートは、ローソク足を使った日足チャートです。
ローソク足は、期間内の動きを端的に表したインジケーター(指標)のこと。
期間内の動きとは、日足なら1日の動き(9:00~15:00)、週足なら1週間の動き(月~金の営業日)、月足なら月内の動き(1日~31日の営業日)のことです。
ローソク足は、1本で始値・終値・高値・安値を表すことができる優れた指標です。
すでに、終値は解説しましたのでお分かりですよね?そうです、日足なら1日の最後についた株価です。
終値が分かれば、始値も簡単。始値は終値の逆で、市場が開いたときに付いた株価です。日足なら朝の9:00についた株価です{寄付き(よりつき)価格と言います}。
そして、高値とは1日でついた最高価格のこととで、安値とは1日でついた最安値のことです。
ある1日の取引状況で例を出してみましょう。
その日は、朝の9:00に1251円で始まりましたが、1245円まで下がりました。その後、1245円以下にはならず、1275円まで上昇しました。1275円まで上昇した後は、その価格を超えることなく株価が動きましたが、結局、1268円で取引が終了しました。
この日の始値は1251円、終値が1268円、高値が1275円、安値が1245円になります。
ローソク足で表すと下記の図になります。

このローソク足は、始値より終値の方が高い価格だったので陽線と呼ばれます。
逆に、始値より終値が低い価格であれば陰線になります。
例えば、上の例で高値と安値の価格は同じで、朝の9:00に1275円で始まり、15:00に1251円で終わった場合は下記のローソク足になります。

陽線と陰線は、一目で分かりやすく色分けして表示されます。
色は、決まっていませんが、世界的には緑が陽線で赤が陰線のことが多いです。ただし、証券会社が提供するチャートによっては、青が陽線で赤が陰線のように基準と違う色で表示されることもあります。
分からない場合は、ローソク足を指定して、始値と終値の価格から、どの色が陽線か陰線かを判断すればいいですよ。
始値より終値が高ければ陽線、始値より終値が低ければ陰線です。
慣れれば、パッと見ただけで分かるようになりますよ。
ちなみに、私は白色を陽線、黒色を陰線にカスタマイズして統一しています。
理由は、自分が見やすいからです。
ローソク足は、終値グラフにはない期間内の始値・高値・安値を見ることができるので、短期の値動きを見るのに有効な指標なんですね。
移動平均線を入れるともっとややこしい
ローソク足と同様、初めからチャートに組み込まれている指標に移動平均線があります。

移動平均線とは、指定した期間の平均価格を繋いだ線です。
例えば、5日移動平均線(上のチャートの赤の線)なら、その日を合わせて過去5日の終値の平均を繋いだ線になります。
移動平均線は、5~10期間ほどの短期線、20~25期間ほどの中期線、50~75期間ほどの長期線、200~240期間ほどの超長期線を表示する人が多いです(期間はトレーダーの好み)。
移動平均線は、複雑に動く終値を期間ごとになだらかにして、流れを見やすくする役割があります。
例えば、上のチャートの赤い線(5日線)を見ると、ローソク足の近くをなめらかに動いていることに気づきます。
ほかにも、期間中のトレンドを見ることができます。
例えば、上のチャートの緑の線は20日移動平均線ですが、それが右肩上がりの時は、過去20日間では上昇トレンドだったということを表しています。
上昇トレンドとは、売る人より買う人の方が多い傾向にあるということです。
さらに、移動平均線の角度が急なほど、株価の勢いが強かったことを意味します。
なぜなら、株価が短期間で大きく一方向に動かないと、移動平均線の角度は急にならないからです。
もしかしたら、気づいた人もいるかもしれませんが、トレンドや勢いは移動平均線を表示しなくても分かります。
特に、手書きチャートならはっきりと分かるのです。
だから、移動平均線は自転車にしっかり乗れるようになるまでの補助輪のようなものです。
移動平均線で株価の流れを掴むようにして、慣れたら消せばいいんですね。
初心者の人は、はじめは20日移動平均線1本だけ表示することがおすすめです。
なぜなら、何本も表示すると、多くの選択肢を用意することになり取引にマイナスだからです。
下の棒グラフは出来高
チャートの下に表示されている棒グラフは、出来高を表しています。

出来高とは、期間中に取引が成立した株数のこと。
例えば、Aさんが持ってる1000株をBさんに売って売買が成立した場合、出来高が1000になります。
そして、日足チャートの棒グラフは、1日ずつの出来高を表しています。
出来高は、上のチャートのように棒グラフで表示するのが一般的ですが、折れ線グラフで表示することもできますので、どちらを選んでもいいですよ。
出来高から読み取れることは、少し難しいですが、成立した価格の信ぴょう性・市場参加者の過熱度・悲観度などです。
例えば、上のチャートの出来高を見ると、飛びぬけて多いときがちょくちょくありますね。
価格が大きく上がったときに出来高が激増していれば、多くの市場参加者の意見が一致して上昇したことが分かります。
一方、価格が大きく下落したときに、出来高が激増した場合は、多くの市場参加者が投げ売りした可能性が高いと読むことができます。
このように、出来高からは、市場参加者の感情や価格の信ぴょう性を判断することができるのです。
実はテクニカル指標って6つの数字の組み合わせ
チャートに表示できるテクニカル指標は、数えきれないほどあります。
例えば、MACD・ストキャスティクス・DMI・RSI・ボリンジャーバンドなどがそうです。
しかし、ほとんどのテクニカル指標は、終値・始値・安値・高値・出来高・期間を元に計算されたものです。
つまり、どのように数字をいじくり回わそうが、見方が変わるだけで新しい発見はありません。
初心者のうちは、買うタイミングや売るタイミングに囚われやすいので、補助輪としてテクニカル指標を使ってもいいと思います。
ただし、テクニカル指標の本質を知って最小限のものにとどめるべきです。
慣れてきたら、少しずつ削って確認したいときだけ表示するようにしましょう。
今回の記事で、チャートの見方が分かったら、どのように分析すればいいのか疑問が出てくると思います。
下記の記事では、そのヒントを書きましたのでご参考いただければと思います。
株式投資で利益を上げるためのチャートを分析する方法を解説しています。テクニカル指標の分析の仕方を学ぶことができるので、以後、初心者でも自分でチャート分析ができるようになります。