上昇トレンドの見分け方の解説

基本書を読むと「株を買うのは上昇トレンドで」と書いてあるが、上昇トレンドが終わるかかなり進んだ状態でないと上昇トレンドだったことに気づかないので、買ったときはすでに天井を過ぎていることが多い。

だから、現在進行形の上昇トレンドに気づけるようになりたい。

この記事は、こんな悩みを持つ個人投資家へ向けた内容となっています。

記事を読むことで、現在上昇トレンドなのかそうでないのか見分けられるようになり、天井買いを防ぐための方法を知ることができます。

過去のチャートを見て上昇トレンドを語るのはそんなに難しくありませんが、未来が見えない状態でリアルタイムに動いているチャートでは難易度が上がります。

そこで、実際に私が実践で使っている方法をお話ししますので、上昇トレンドを見極めるための濃い内容をお届けできると思います。

それでは、解説していきますね。

チャートを見る投資家が意識する上昇トレンドの特徴

企業と経済状況のみで投資判断している本物のバリュー投資家を除いて、ほとんどの投資家がチャートを見て投資やトレードをしています。

ここでは、その多くの投資家が認識している上昇トレンドの定義や特徴をお話ししますね。

上昇トレンドは、安値と高値を切り上げながら、右肩上がりに株価が続伸している状態と定義されます。

安値と高値の切りあがり

チャートを習い始めたばかりの人は、目立った安値と高値のほかにある小さな上げ下げに戸惑いを感じると思いますが、波動の大きさについて勉強したり、主波と副次波の関係を学ぶと理解できるようになります。

関連記事:【明確な定義】8分でダウ理論の高値と安値を簡単に理解できます

特徴は、下げよりも上げの期間が長かったり、勢いが強いことが多いです。

上昇トレンド中の上げと下げの特徴

また、陽線の出現率が高くなります。

トレンドラインで見分ける

上昇トレンド中であれば、トレンドラインを引くと右肩上がりになります。

上昇トレンドにトレンドラインを引いたチャート

トレンドラインは、トレンドができるまで確認できないが(チャネルラインで推測はできる)、過去分析に役立ちます。

例えば、パーフェクトオーダーなどトレンド継続が期待できる場面などで、次のトレンドラインでサポートされる箇所を狙うだけでなく、上昇終了の転換を空売りで狙うこともできるのです。

上昇終了の転換を狙うには、上昇トレンドであることを把握できないと、始まりませんからね。

トレンドラインは、上図のようにきれいに引ける場面ばかりではありません。

色んな場面で引けるようにすることで、上昇トレンドを見極める力が上がりますよ。

関連記事:株式投資のトレンドラインの引き方【多くの人が勘違い】

また、エリオット波動を知っていると、どのような波形がでるか、予測できる場合があるので余裕がある人は勉強しておくといいですよ。

強い上昇:エリオット波動のインパルスのルールと見極め方【株式投資】

弱い上昇:【エリオット波動】ダイアゴナルの定義と基本戦略を解説【株式投資】

フラクタル構造で見分ける

自分の時間軸で値幅を取るには、一つ下の時間軸での上げ下げに右往左往してはいけません。

現時間軸と一つ下の時間軸の下げの違い

日足でのトレードなら、15分足ベースの上昇下降に振り回されてはいけないのです。

これを意識するのが、上昇トレンドでのポジション維持や短期トレードなら再投資ルールの基本となります。

また、自分の時間軸が上昇に転じても、一つ上の時間軸が下落なら、長く続かない可能性があるでしょう。

一つ上の時間軸と現時間軸の関係性から上昇トレンドを解説

これは、日足でトレードしている人なら、週足やかなり大きく拡大した日足との関係になります。

小波動が上昇の定義にあてはまっても中波動が当てはまらなければ長く続かないことが多いというわけですね。

逆に、小波動が上昇の定義にあてはまらなくても、中波動が当てはまれば、すぐに転換して長く継続することが多いので、押し目買いを狙いたい人ならこういう場面を狙うといいでしょう。

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実践編

ここからは、実践で使える基本的な上昇トレンドの見極め方を解説していきますね。

上昇トレンドを初期で見極める方法

株価の流れは、100%あてることはできないので、転換点である上昇トレンド初期を100%あてることはできません。

だから、誰でも知ってるような基本的な知識を組み合わせることによって推測していく必要があるのです(1日1日、仄暗い道を一歩一歩、歩くようなイメージで)。

誰でも知ってる基本の形から推測する方法

あなたは、下落相場から少しのもみ合いで緩やかな上昇トレンドに移行することを体験したことがあるのではないでしょうか?

ゆっくりと上昇するので、エントリーしたらすぐに下落するかもしれないと思い地団駄を踏んでいると、いつの間にかかなりな位置まで上昇していたなんてこともしょっちゅうですね。

それらは、W底や逆三尊がでた時だけでも、確実にエントリーできるようにしておきましょう。

W底

W底をエリオット波動としてとらえた場合の図

W底は、エリオット波動の修正波であるフラットのような形を経由してX時点で、大きな期間で下落なら下がるはずが、上昇しはじめたので上昇トレンドに移行するのではないか?と推測できる地点です。

結果、フラットが否定されるのでトレンド転換になるのでは?と推測することができます。

私が思うには、誰もが知ってるW底はエリオット波動の良いところをとって広められた型ではないかと思います。

エントリーは、b地点で跳ね返ったところで逆指値を置いて仮エントリーして、X地点で跳ね返ってできれば、ゴールデンクロスしているところか、しそうなところを狙ってエントリーすると優位性の高い地点でのエントリーが可能になります。

私の経験では、特にX地点が25MAの上で起きた場合は、確率が高い印象がありますね。

逆三尊

逆三尊をエリオット波動としてとらえた場合の図

逆三尊は、底の転換として多くの人が認識している箇所ですね。

これは、下落の最終局面から出現しやすい形なのですが、週足ベース・月足ベースの大きな波で見た最終局面の場合(底練り初期)、上昇の威力が弱いことが多いです(ダイアゴナルで終わることが多い)。

逆三尊の出現箇所による上昇威力の違い
(3436:SUMCO 2015/11/27~2016/9/5のチャート)

逆に、大きな下落後に変動率が高いもみ合いが2~3ヵ月続いた後の最後の下落場面で逆三尊が出現したら上昇局面へ移行しやすいので覚えておくと役に立つでしょう。

下落の最終局面のあたりは、エリオット波動の5波が終了したかどうかを推測しながら見ていくといいでしょう。

大きな期間から推測

エリオット波動は、5波単位でフラクタルに動くのですが、月足ベースでも同じ動きになっています。

月足ベースで見た上昇トレンド
(月足で見ると赤丸部分が先ほど見た逆三尊チャートの右側の上昇トレンドに過ぎなかった、しかも、3波で終わっている修正波にすぎない →A-B-C )

つまり、月足のW底や逆三尊が確認できたなら、日足・週足ベースでは、長期上昇に入ることが推測できます。

例えば、日足ベースで、5波終わったとしても月足ベースでは、1波に過ぎない場合があるので、月足ベースの押し目を狙ってみると、日足ベースでの上昇初期を捉えることができます(月足ベースでは3波になる)。

以上、株式投資の上昇トレンドの見分け方の解説でした。

note: 【株式投資】私が使っているトレンド転換を見極める方法【本質論】