
この記事は、下記の疑問を解決したい個人投資家向けに書きました。
- ローソク足の行き違い線の投資家心理が知りたい
- 行き違い線の実践での使い方を教えてほしい
記事を読むことで、行き違い線の本質的な意味と実践での使い方を理解することできますよ。
行き違い線は、私の得意パターンの一つでもあります。
しょっちゅう出てくるわけではないですが、かなり強力なパターンなので覚えておいて損はありませんよ。
行き違い線の形と基本的な意味

行き違い線は、ローソク足の陰線と陽線が重なるように出現した形で、終値が反対方向を向いているのが特徴です。
覚え方は、意味を分かっていれば簡単です。
強い行き違い線は、前日が陰線で終わったにもかかわらず、翌日、前日の高値あたりで寄り付き大陽線を出していることから、この日の買いの勢力は、かなり強かったという意味になります。
逆に、弱い行き違い線は、前日大陽線を付けたにも関わらず、翌日、前日の安値あたりで寄り付き大陰線をつけたことから、売りがかなり圧倒したということが分かります。
そして、行き違い線は、2本合わせると下ひげをつけた陽線と上ヒゲをつけた陰線になるので、1本の下ひげ陽線より買い勢力が強いのではないか?また、1本の上ひげ陰線より買い勢力が弱いのではないか?ということが分かります。

下ヒゲ陽線は、相当下げてきたところでは、そろそろ買いが入ってきたのではないか?また、強いトレンドの一旦の下げと考えられる場面では、そろそろ転換するのではないかと考えられ、買い方が優勢だったことを表す強い線です。
強い行き違い線は、2本を組み合わせると下ヒゲ陽線と同じです。
ですが、1日で作った足より、2日間で作った足の方が、より多くの人の価格の総意であることから信頼性が高いのでは?と判断することができますよ。

そして、弱い行き違い線は、2日かけて作った上ヒゲ陰線と同じ形になります。
上ヒゲ陰線は、相当上げてきたところでは、そろそろ買い勢力が弱ってきたかな?と感じとれるところだし、下げ場面では、戻り高値をつけたのではないか?と判断できるところです。
こちらも2日かけた分、上ひげ陰線より信頼性が高いのでは?と判断することができますよ。
実践での使い方
私の検証になりますが、実践で行き違い線が使える場面は、上昇への転換初期、下落への転換初期、上昇トレンドの押し目買い、下降トレンドの戻し売りです。
短期売買が好きな方なら、結構興味がある場面ではないでしょうか?
では、解説していきますね。
上昇への転換初期や押し目
上昇への転換初期では、強い行き違い線をきっかけに、本格的に買いが入ってきたのではないか?と判断することができます。
ということは、それまでに売りが整理されていて(底値が固まってきたなど)、移動平均線もゴールデンクロスなど買いへの準備が整ってきたのではないか?と判断できる状況でなければなりません。

上手い人だと、すでに試し玉が入っている場面です。
上昇トレンドの深い押し目や上昇トレンドで下げてきて、こなれた後の転換場面なんかで狙えますが、底値のもみ合いからの上げでも出現すれば信頼度が高いと思います。
ただ、底値からの上げは、どうしても疑心暗鬼な投資家が多いので、なかなか出現しにくいのですが。
下降への転換初期や戻り
こちらは、上昇の逆で弱い行き違い線の出現であり、下落への転換初期に出現すると、相当買い勢力が弱ってきたと判断できます。
また、下落中の戻しで出現すると戻し高値をつけたのではないか?と判断することができます。
私の経験では、戻し高値は、上ヒゲ陰線1本で転換することが多いのですが、弱い行き違い線が出たら、それより転換の可能性が高いことを意味します。

また、下げる場面では、きっちり前日の始値と翌日の始値が重なっているというより、窓を開けて出現することが多いです。
買いでは、窓を開けての行き違い線というのは、あまりみないのですが、下げの場合はしょっちゅうあります。
厳密に言えば、行き違い線ではないといわれるかもしれませんが、意味は、行き違い線以上に弱いと判断することができるので、より信頼船が高い線となりますよ。
ただし、行き違い線は、どうしても順張りになって利益の幅が少なくなるデメリットがあります。
できれば、1歩前に転換を感じ取って仕込めると、行き違い線が出現した時は、安心してみていられるようになるでしょう。
利を伸ばすことに集中できるはずです。
なお、酒田罫線法を起源とするローソク足の基本的な動きや形は、その本質について理解していないと実践ではほとんど活かすことができないでしょう。
残念ながら、マイナスに作用することも多々あります。
ローソク足の本質と正当な酒田罫線法、そしてその弱点をカバーした売買法については、私のnoteで公開していますので参考にしていただければと思います。
購入者様へお知らせ 2020/11/4に、より実践で役立つと思うポイントを3項目追加+1項目更新しました。更新状況は、目次の日付で確認できますので、空いた時間に学習を進めていただけたらと思います。 -------本文はここからです------- 多くのトレーダーが日々解析に励むローソク足。 型をしっかり覚えたのに、実践で役に立っているような、いないような・・・そんなモヤっとしたものになってないだろうか? 何事も基礎が大事ですが、基本の教えについて本質を理解していなければ、実践で活かすことはできません。 むしろ、ローソク足の強弱で心が乱されるので、折れ線グラフにした方がいい