
まずはじめに、初心者がFXで稼ぐ方法は存在しません。なぜなら、FXもスポーツや知的ゲームのような技術が必要だからです。
それにもかかわらず、FXを始めたばかりの頃は、プロが特別な方法を使って利益を上げていると考えてしまいがちです。なぜなら、FXはスマホ一つで簡単に取引に参加できるので技術的なことに目が向かないからです。
もちろん、ボクシングやサッカー、将棋などと違って、FXはポジションを保有した時点から上がるか下がるかで勝敗がつくのであるから、まぐれで勝つことはあり得ます。そして、かかるまぐれの勝利は、連続して起こることもあります。
このように、FXはなんの労力もかけずに簡単に利益が出ることもあるし、そうでなくても、取引はボタン一つでできるので簡単に稼げるようになるかもしれないと期待させます。
しかしながら、そういう人たちであっても、この先ずっと利益を出し続けられるものではないということは分かっています。
そこで、FXのプロが持っている特別な情報や秘密があれば、大金持ちになれるのではないかと考えてしまうのですね。
そうすると、かかる情報や秘密を得ようと躍起になり、技術に目を向けることがなくなるわけです。
そして、プロの情報を得ようと躍起になっている人の中でも一部の人たちは、「初心者でも1日5分で簡単に稼げる」とか「自動売買システムを使えば誰でも楽々稼げる」という詐欺まがいの情報に釣られてしまい、大金を支払う羽目になってしまいます。
したがって、FXの初心者は、「初心者でもFXで稼げる方法」という情報を探すのではなく、基本的な手法を勉強して、その手法を繰り返し検証・実践して技術を磨いていくべく練習をすべきです。
技術を磨いていく過程で注意すべきこと
初心者がFXの技術を高める前段階として、基本的な手法を勉強しなければなりません。そして、かかる手法は、幸か不幸か歴史上多くの人に考えられてきたことにより無数に存在します。そのため、その中から自分に合う優位性の高い手法を見つけなければなりません。
そして、かかる手法を一つに絞って、その一つの手法だけに集中して技術を身に付けることが何よりも重要です。
FXは、先の値動きを100%予測することができないので、いくら優れた手法であっても必ず弱点が存在します。その弱点がきっかけとなり損失が出たときは、他の手法に目移りしやすくなります。そして、そのような目移りばかりをしていると、安定して利益を出せるようになりません。
私の投資指導の話になりますが、FXが上手くいかない人達は、トレードで失敗すると、その手法は使えないと考えて他の手法に目移りすることを繰り返していて、それが上手くいかない原因になっていることが多いです。
したがって、一つの手法に絞ることが技術を磨く過程で注意すべき点になります。
なお、そもそも優位性の高い手法の見つけ方が分からない人がいるかもしれませんので記事にしておきました。
優位性の高い手法の見つけ方について書いた記事はこちらのリンクです。
技術を磨く上で意識すると上達が早くなる4つのポイント
初心者がなんとか優位性の高い手法を見つけたとしても、どの点に留意して技術を高めればよいのか分からないと思います。
以下、私が初心者だった頃に意識できていれば、もう少し早く技術の上達が見込めたポイントを書き留めておきますね。
エントリーの位置
エントリーとは、ポジションを持つこと、すなわち通貨を買う又は売るという行動にでることです。
そして、買いエントリーの場合は、下落から上昇に転じる場面、売りエントリーの場合は、上昇から下落に転じる場面が最も優位性が高い場面になります。
この点について、転換点が優位性が高いということは誰にでも分かるのですが、価格は各々の時間帯で色々な思惑を持った人達が取引していることから、いわゆるフラクタル構造になっていますので、初心者にとって難易度が高くなります。
エントリーの位置は、損切りや利食いと関連して、有利なトレードになるかどうかという点で重要になりますので、転換点に注目して技術を高めることが肝心ですよ。
損切り
損切りとは、ポジションを持った後でポジションを持つ意味がなくなった場合に、早めに損を確定することです。
損切りの幅を小さくすれば、小さなリスクで大きな利益を得られますが、その反面、価格のノイズで一旦逆方向にいった後、想定した方向へ動いた場合、ロスカットされて勝率を下げることがあります。
損切りは、資金管理と関連する重要なポイントになりますので、どの程度までリスクを許容するのか考える必要があります。また、損切りすると損をしてお金が減るという痛みを感じることから損切りを実行することは躊躇しやすいものです。そのため、実際に損切りできるように技術を磨く必要があります。
利食い
利食いとは、利益を確定することです。利食いは、損切りと逆の考え方に立ち、なるべく利益を最大化させる必要があります。
ところが、普通に損をすることと、儲かっているものが減ることを比べると、後者の方が痛みを感じやすいという人間の脳の性質(プロスペクト理論で証明済)上、利益を伸ばすことは非常に難しいです。
しかしながら、FXは、リスクと利益が表裏の関係にあることから、利益を伸ばせるときに伸ばしておかないと安定した資産を築くことはできません。
したがって、なるべく利益を伸ばすという技術を磨く必要があります。
資金管理
FXは、資金管理がすべてと言われるほど資金管理は重要です。なぜなら、市場に投入する額によって、取るべきリスクと狙うべき利益が変わってくるからです。そして、市場への投入額のコントロールの仕方によって、全体の資産の増減及び口座資金の枯渇リスクが変わってきます。
初めは、最小単位で取引して練習することをおすすめしますが、技術が身に付いてきたら、資金管理を徹底することにより、効率よく資産を増やしていくことができますよ。
効率よく技術を磨く方法
FXの技術を効率よく磨く方法として、私がしてきたことは以下の2点です。
トレード日記を書く
トレードの記録として、取引理由やロット数、精神状況を書き留めておきます。
媒体は、紙のノートでもSNS、アプリなどなんでも構いませんが、行き詰まったときにすぐに自分が読み返しやすいものを選ぶといいでしょう。
プロの意見を参考にする
自分が行き詰まった時に、自分の手法と同じ、もしくは似ている手法のプロトレーダーの情報を参考にすると解決することがあります。
注意点として、すべてを鵜呑みにするのではなく、自分の頭で考えて腑に落ちた部分を吸収していくスタンスで望みます。そうすれば、今まで自分の積み重ねてきたものがブラッシュアップされて良い方向に向かうことがありますよ。