
「これから投資を始めたいけど、株とFXのどちらにしようか迷っている」
この記事では、そんな初心者に向けてどちらがいいか解説しました。
結論から言いますと、株とFXのどちらでも成功している人はいるので、どちらがいいかは、あなたの資金力・費やせる時間・投資スタイル・ライフスタイルによって変わります。
しかし、このように説明しても、恐らく初心者の方であれば、どちらを選べいいか分からないと思いますので、順番に分かるようにお話ししてきますね。
まずは、どちらを選べばいいのか判断材料になる株式投資とFXの違いについて解説していきましょう。
株式投資とFXの決定的な違い
株式投資は、企業にお金を投資することを言います。
もう少し具体的に言うと、企業の成長を見込んでお金を託したり、衰退を見込んで持ってる株を引き上げることです。
企業は、商品を製造したりサービスを提供して付加価値を作り出して成長しようとするので、株式投資は、長期的に見るとプラスサムゲームになります。
プラスサムゲームとは、参加している投資家の利益の合計が投資額に対してプラスになることです。
ただしこれは、実際に投資した企業が長期的に付加価値を付けることができたらの話になりますが。
だから、厳密に言うと、プラスサムゲームになる可能性があるというニュアンスになります。
一方、FXは為替の変動にお金をかけることを言い、新興国の経済成長を見込んで投資する以外は投機になります。
これは、いくら経済や金融のことを研究するファンダメンタルズ分析を使おうと同じことです。
なぜなら、ファンダメンタルズ分析でも結局は、二国間の経済格差を見込んで中長期的に売買しているに過ぎないからです。
”二国間の経済格差を見込んで取引する”と言うと、一見、高尚に聞こえますが、チャート分析を主とするテクニカル分析を使って価格変動を見込んで売買しているのと、なんら変わりはありません。
どちらかというとFXは転売のイメージに近い感じですね。
経済力が低くくなりそうな国の通貨を経済力が高くなりそうな国の通貨に両替して、値上がりしたら換金しているだけですからね。
実際は、世界経済のリスクオンとリスクオフといった環境によってお金の流れが変わってきますので、単純にはいきませんが基本はそうです。
そうすると、FXに付加価値は付きませんので、スプレッド(※1)とスリッページ(※2)、スワップポイント(※3)の誤差の分、マイナスサムゲームになるわけですね。
※1.スプレッドとは簡単に言えばFX会社への手数料です。※2.スリッページとは、成行注文の際、約定価格がズレて成立することです(通常トレーダーの不利な方にズレる)。※3.スワップポイントとは、各国の金利差を受け取ったり負担することで、通常FX会社では同じ金利格差でも受け取る場合より支払う場合が多く設定されています。
ここまでの解説を聞くと、株式投資が有利でFXが不利のように聞こえますが、そんなことはありません。
株式投資とFXのどちらがいいかは、あなたがトレードか投資のどちらをしたいかによって変わってきます。
トレードとは、主に短期的な値動きにお金を投機することで、投資というものは成長性を見込んで資金を投じることです。
それでは、トレードと投資の違いをFXと株式投資に分けて解説してきますね。
メリット、デメリットがありますので、自分の環境や性格に合わせて判断してみてください。
トレードとして比較した場合
結論から言うと、トレードをするならFXの方がやりやすいです。
その理由は、市場が月曜日から金曜日の24時間開いていて、値動きに連続性があるので、急な高ボラティリティ(価格変動率)の変化に対応することができるからです。
しかも、ボラティリティが急激に高くなる可能性があるのは、米国雇用統計やFRBの金融政策会合などのイベント時のほか、正月、ゴールデンウィーク、盆などの薄商いの時期のように、あらかじめ予測できるので、それに気を付ければいいだけです。
トレードするときは、逆指値を設定しておけば、通常9.9割方そのあたりで約定しますのであらかじめリスクを計算することができて安全です。
また、世界中のトレーダーが参加しているので、流動性が高く値動きが安定しやすいのと、参加者の8割方がトレーダーなのでテクニカル分析が効きやすい特徴があります。
必要資金は、レバレッジが使えるので、10万円くらいでも十分に始められますが、50万円くらいあればしっかりと戦える金額です。
どちらにせよ小さい資金で始めることが可能ですよ。
レバレッジが使えると資金管理を徹底することができれば、安全に大きな取引が可能なんですね。
下の記事は、これからFXを始めてみようかなって思った人向けに、どんな感じなのか書いたものなので一読していただければ役に立つと思います。
FXのやり方が分からない初心者向けにイラストを使って簡単に解説しました。
一方、株式投機は、日を跨ぐと一気に窓を開けて価格変動することが多いので、リスクを大きくとる必要があり、日を跨いで何か大きな事件が起きてもポジションを手仕舞えず、次の日の朝、大きく変動したところで手仕舞うハメになり、設定した逆指値より大きく乖離して約定するので、やりづらいのが現状です。
また、マーケットは5時間しか開かないので時間がかかりすぎて、小資金の人にとっては大変です。
流動性は、FXより低くチャートがきれいに動かない銘柄も多いです。
デイトレなら別ですが、通常の純粋なトレード方法でやっても上手くいかない人の方が多いでしょう。
私の場合は、それらのリスクをうねり取りやリズム取りをしたりセクター分析でカバーしています。
詳しくは、株式投資で成功しやすい手法という過去の動画や私の投資手法の記事をご参考ください。
株式投資の手法を探している人向けに、実際に筆者が使っている一般の人が努力次第で比較的成功しやすい株式投資の手法を書いた記事です。
もし、株式でトレードをしたいなら、1日の平均出来高が100万以上できれいに上げ下げしている銘柄を選ぶといいですよ。
株式投資でもトレードをした場合、FXと同様、マイナスサムゲームになりますので、資金管理と損小利大を徹底する必要があります。
投資として比較した場合
こちらも結論から言うと、投資をするなら断然、株式投資の方がおすすめです。
なぜなら、企業が日々成長しようと努力しているので、企業価値を理論的に考えることができるので長期の展望を持つことができればプラスサムゲームに参加することができるからです。
株式投資は、投資スタイルにもよりますが、チャートの基本的な読み方と企業分析のスキル、そして大きな株価の動きと関連する経済と金融政策についての知識が必要です。
ファンダメンタルズ分析は、専門知識が十分なアナリストでも5割当たればかなり優秀な方なので、初心者にとっては難しいかもしれません。
一方、FXの場合は、国と国の経済情勢の格差などを狙って資金移動させる方法が投資になります。
格差があれば、必然と金利差がでてくるので、通常のリスクオフの時期であれば、金利が高い方に資金が集まってくるわけです。
そうすると、金利と値ざやを稼ぐことができるんですね。
やはり、投機の域はでませんが、しっかりと価格が動きレバレッジが賭けらるのでFXに投資するのも悪くないと思います。
将来の目標やライフスタイルを考慮してみる
将来の目標がトレーダーとして専業でやっていきたいとか、早くお金持ちになるための挑戦がしたい人はFXがおすすめです。
ただし、FXのために人生をかけるつもりで膨大な時間を費やして修練する必要があります。
そして、辛く長い日々が続くのです。
もし、あなたが働いているなら、仕事や私生活への影響がでる可能性があります。
それを防ぐには、生活のための資金を絶対に投入せず、余剰資金で始めることです。
一方、ゆっくりでもいいので、貯金以外でお金を運用したい人は、株式投資がおすすめです。
特に、働いていていて安定的に収入がある人なら、税金を控除しながら積み立てができるiDeCoからはじめるのがおすすめです。
iDeCoをすでにやっていたり、株式投資を自分でやりたい人は、しっかりと勉強して長期投資から始めてみるといいですよ。
このやり方は、トレードと比べて精神衛生上楽なので、私生活への影響を受けにくいです。
資産運用については、投資信託を考える人もいるかもしれませんが、下記の記事を読んでいただけると判断材料になりますよ(私はiDeCo以外の投資信託はおすすめしていません)。
ネット記事でゴリ押しされている投資信託の反対意見が聞きたい人向けに、私が投資信託をやらない理由とどんな人におすすめなのか株の実践経験に基づいて解説した記事です。
まとめ
今回の記事をまとめると、資金が少なくトレードがしたい人ならFXがおすすめです。
ただし、時間と労力、精神力を使うことになります。
一方、投資がしたいなら、資金の大小関係なく株式投資がおすすめですが、新興国以外のFXへの投資もそれほど悪くありません。
なぜなら、メジャーな先進国の通貨の価値がゼロになるのは、企業が倒産する確率より低いからです。
株式投資は、資金が少ないと増やすのにかなり時間がかかるというデメリットがあります。