株式投資でのフィボナッチの使い方

この記事は、株式投資でフィボナッチをどのように使えばいいのか悩んでいる個人投資家向けに書きました。

フィボナッチ数列は、自然界の生物や現象の生成の過程に現れる数の比率で、レオナルド・フィボナッチというイタリアの数学者が発見した法則です。

幾何学を相場に応用した理論を発表したのは、W・D・ギャン(実践家だったかどうかは疑わしいがそれは置いといて)、ジョージ・バイヤーが先駆者だが、1972年に本格的にトレーダー向けに書籍を発表したのがウィリアム・ギャレットです。

現在では、自然界の法則が相場にもあてはまるので逆張りのトレード理論として使えるという立場と相場と自然界の法則は別物という立場からあてにならないという立場に分かれています。

私は、あてはまる場合とあてはまらない場合があると考えていて、結局、2つの立場は一発賭けの”あてもの的な予測法”を前提にしているから対立するのではと思っています。

ほんの一例で恐縮ですが、とくに材料がでず需給が強く影響するときはあてはまりやすく、材料が交錯するようなときはあてはまりにくい印象です。

だから、日中にファンダメンタルの影響が出にくいFXのデイトレーダーによく使われると思います。

私の場合は、値動きのシナリオを何パターンか立てますが、あてもの的に予想して狙うことはありません。

なぜなら、過去の値動きを研究することで、ある程度今後の動きが想定できるけどぴったり予測できるわけがないという考えが前提なのと、予測することと利益の上げ方なら、利益の上げ方の方を重視しているからです。

ただし、私が使っているうねり取りの分析と幾何学・フィボナッチ数例は相性が良いので、一つの目安として使っています。

そこで、この記事では、フィボナッチの基本的な使い方だけでなく、私が実践でどのように使っているか解説しますので少しでもお役に立てれば嬉しく思います。

私は、後付けで相場を語る評論家ではなく実践家であり、その観点から記事を書いています。

実践状況については、毎週noteのマガジンで現在進行形で情報公開していますので、そちらも参考にしていただければと思います。

なぜフィボナッチ数列があてはまりやすいのか?

先ほど、自然界に存在する生物や現象がフィボナッチ数列にあてはまると言いましたが、その黄金比率は1.618になります。

フィボナッチ数列は、【aₙ=aₙ₋₁+aₙ₋₂】という斬化式で表されます。

これを簡単に説明すると、1番目と2番目の項a₁とa₂は1と定め、後は、1つ前の項と2つ前の項の和で並べられた数列ということです。

つまり、1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89、、、と永遠に計算することができます。

3番目の2は1+1で、4番目の3は2+1、5番目の5は、3+2といった具合にです。

そして、その隣り合う数字を割ると一番収斂される数字が1.618になるわけです(反対に割れば0.618)。

8÷5=1.6、55÷34=1.6176、89÷55=1.61818みたいな感じに。

そして、一つ飛ばしの数字同士を割ると0.382とか0.236といった数字がでてきます。

主なフィボナッチ数列は、隣同士を割った1.618や0.618、そして一つ飛ばしに割った0.382(1から0.618を引くとでる数字でもあるので)、1.618を2乗して計算された2.618になります。

0.236はフィボナッチ数列になりますが、少しいびつな形のイメージであるという認識で、1から0.236を引いた0.764はフィボナッチ数列ではありません。

この辺は、どうでもいいのですがフィボナッチを利用する者として知っておくといいですよ。

そして、これがどうして自然界に存在するのかということは、調べてみたけど螺旋の数列に近いという情報以外でてこないので分かってないのではないかなあと思います。

もちろん、それが値動きにあてはまる理由も分かっていません。

過去のチャートを見ると、あてはまる場合が多いことが分かっているだけです。

いわば、相場の経験則的なものになります。

ということは、フィボナッチだけを根拠にトレードすることは危険というわけですね。

なぜなら、売買というものはもう少し直接的なものでないと実践で役立たないからです。

だから、私の場合、フィボナッチを一つの目安に戦略的分割売買で建玉するうねり取りをしているわけです。

使ってるのはフィボナッチリトレースメントとエクステンション

私は、押しや戻りの位置の想定と値動きの強弱を確認するためフィボナッチリトレースメントとフィボナッチエクステンションを利用しています(エクステンションは将来の利確や逆張りのエントリー位置の目安にも使っています)。

リトレースメントは、”ある波動”に対して現在何パーセント戻しているかを確認できるツールで、エクステンションは、過去の波動からどのくらいトレンドが進みそうかを確認できるツールです。

フィボナッチリトレースメント

フィボナッチリトレースメントを使ったチャート分析

フィボナッチリトレースメントの”ある波動”とは、自分が狙う任意の波のことですが、値動きにはフラクタルな特徴があるので、上のチャートの①のような大きな波に設定することもできるし、④の中の②③のような小さな波にも設定できます。

つまり、このリトレースメントは、次に解説するエクステンションもそうですが、波の大きさを区別できないと正しく引くことはできません。

ツールの使い方は、私が使っているトレーディングビューの場合、任意の波の始点をクリックした後、終点をクリックすることで自動的にパーセンテージが表示されます。

トレードの世界にいるなら一度は聞いたことがあると思うトレーディングビューですが、私はずっと使っているのでその内容を下記の記事でレビューしています。

興味がある方は、参考にしていただければ嬉しく思います。

フィボナッチエクステンション

フィボナッチエクステンションを使ったチャート分析

フィボナッチエクステンションは、利益確定のポイントだけでなく逆張りの見当をつけるときにも利用する指標です。

トレーディングビューでの使い方は、前々回の波の始点、前々回の波の終点(前回の波の始点)、前回の波の終点の3か所をクリックすることで上のチャートのようにフィボナッチ比率が表示されます。

リトレースメント・エクステンションともに意識している数字は、0.382、0.5、0.618、1、1.618、2.618(大きな波を見た時)でこれらの位置と戻した値動きを見て今回は強い動きをしているなあとか弱い動きをしているなあといった風に値動きを感じ取っています。

0.5という数字はフィボナッチ数列ではないのですが、昔から半値戻しという言葉があり、マーケット特有の経験則的に人の欲望や需給バランスから意識されたり、波動の限界になる可能性が高い位置なので重視しています。

また、私は建玉の仕方(ポジションの増減)について酒田罫線法を利用していて、フィボナッチと全く関係ないと考えています。

それは、相場環境の把握とエントリー・イグジットの分析の仕方が違うことと同じです。

どちらかというと、移動平均線での環境把握と同時に利用することが多いです。

このような感じでフィボナッチを売買に活かしているのですが、私が使っているうねり取りについて気になった方は、下記の記事を参考にしていただけると分かります。