エリオット波動とグランビルの法則の違い

この記事は、下記の悩みを持つ個人投資家向けに書きました。

こんな悩みを解決

  • エリオット波動とグランビルの法則はどちらが優れているの?
  • 2つの違いって何?
  • トモカズの見解は?

記事を読むことで、エリオット波動とグランビルの法則の違いが分かって2つの理論の使い方を理解できます。

結論を言うと、私の実践的な見解では、エリオット波動とグランビルの法則は、2つの足りないところを補完し合うことでお互いの論理の精度を上げることができます。

私のトレードは、この2つの論理が基礎となっています。

この2つの論理を深く理解して組み合わせると、押し目買いや戻し売り、過熱した相場の逆張り、勝負してはいけないポイントが手に取るように分かるのですね。

そこまでいかずとも、まずはこの記事であなたの疑問を解決し、2つの論理を合わせて使うヒントを得てみてください。

実績公開(4か月ごと)

【証拠画像】2018年12月までの株式投資の実績(現在2019年8月まで公開)

エリオット波動とグランビルの法則の比較

エリオット波動とグランビルの法則の何が違うのか考えるためには、それぞれの論理を理解しておかなければなりませんね。

まずは、2つの論理の本質をまとめました。

さらに詳しく考察したい人は、各関連記事へリンクを貼っておくので、そこで学習してみるといいですよ。

エリオット波動とは

エリオット波動とは、簡単に言うと、トレンドの上げ下げ、下げ上げのパターンを示すものです。

エリオット波動の例

これは、上げの中にも下げがあり、下げの中にも上げがあるといったフラクタル構造になっています。

フラクタル構造とは、片方を太くし、もう片方を細くした金太郎飴を切っていった時のように、時間軸が長くても短くても同じような動きになっている構造のことをいいます。

エリオット波動のフラクタル構造

この構造を利用して、一つの上げの中に上げ下げが何回あるのか?押しの上げ下げはどのくらいか?というパターンを示しているわけです。

こういった性質から、私は、エリオット波動でエントリーポイントを探るのではなく、今後の流れや押し・戻りの大体の位置を把握するために使っています。

基本のルールをきちんと身につけると、少しずつ開示される答えを先に予測するゲームのような感覚で相場を読めるようになりますよ。

参考記事エリオット波動の基本【自分のトレードに活かせるか判断できます】

グランビルの法則とは

一方、グランビルの法則は、移動平均線とローソク足を使って、エントリーポイントを探る論理として使っています。

人によっては、グランビルの法則で流れを読むという人もいますが、実際は、グランビルの法則で流れを読んでいるのではなくて、移動平均線の並びと傾き、短期線・中期線・長期線・超長期線の位置で流れを読んでいる場合が多いと思います。

そうすると、やはり有利なエントリーポイントの位置を探るのに使えるのですが、実は、ローソク足だけでは、心許ないと私は思っています。

まず、下の図に書いたグランビルの法則のエントリーポイントを見てください。

グランビルの法則
( 黒丸が買い、赤丸が売り )

グランビルの法則は、大体このような図で表されるのですが、どうでしょう?

まず、③は移動平均線がサポートしているので、買いも売りも目安がつくでしょう。

では、②はどうでしょう?

移動平均線を割っていますが、何を目安にエントリーすればいいのでしょうか?

グランビルの法則は、移動平均線のほかにローソク足を使うので、ローソク足でエントリーを探るのですが、例えば、赤④⇒黒②の途中で、だましの上げがあるかもしれないし、まだレンジの中で前の安値まで下がるかもしれませんね。

そして、④もそうですが、グランビルの法則の場合は、移動平均線との乖離率を使ってエントリーの見当をつけます。

しかし、本当に次のポイントまで都合よく下がってくれるのでしょうか?また、真っすぐ下げるのではなくてジグザグしながら下がるようなトレーダーを騙す動きをすることもしばしばあるでしょう。

こういう時に、エリオット波動の修正波を知っていれば、動きに翻弄されにくいし、フラクタルな目線でチャートを見ることができれば、黒の④まで下げた後、再上昇する動きも想像できるようになるでしょう。

また、インパルスであれば、②⇒③が一番利幅をとれる箇所だということも理解できるので、玉の入れ方に差をつけることもできます。

このように、グランビルの法則は、有利なエントリーポイントとシグナルを知ることができますが、だましにも引っかかりやすいという特徴があるのです。

2つの違い

ここまでのお話しから、エリオット波動とグランビルの法則は、流れを予測するものとエントリーポイントを探るといった違いがあります。

そして、論理の性質が違う以上、優劣をつけることができないし、それを考えるのは、本質から外れている気がします。

ちょっと違うかもしれませんが、インジケーターとオシレーターに優劣をつけても仕方がないのと似ていますね。

結論

Youtubeやブログを見たり読んだりしていると、グランビルの法則が最強だとかエリオット波動だけで稼げるみたいな情報がたくさん出てきますが、自分の投資スタイルに合う方を選べばいいと思います。

私の場合は、2つの論理を合わせて使うとうまくいくし、理論的・実践的にも補完し合える論理なので、そうしています。

なお、エリオット波動を使って実際の取引をするときは、その本質について理解してないと、ほとんど役に立たないどころか逆効果になってしまいます。

その本質を理解して実践で使えるように下記のnoteでまとめましたのでご参考いただければ嬉しく思います。

noteエリオット波動を実際の売買で使えるようになる考え方【知識は基本だけでOK】