エリオット波動のフラットの解説

この記事は、下記の悩みを持っている個人投資家向けに書きました。

こんな悩みを解決

  • エリオット波動のフラットについて基本が知りたい
  • 実践ではどのような考え方でチャートを見ればいいのか?

記事を読むことで、エリオット波動のフラットについての基本から実践で使える知識が手に入ります。

フラットの解説だけでなく、エリオット波動の基礎的な内容は、誰でも解説することができます。

しかし、この記事では、基本的な内容に留めず、私自身の経験と検証を合わせて実践での使い方まで網羅しましたのでご参考いただければと思います。

基本形

フラットは、3-3-5の副次波で構成される修正波です。

フラットの基本波形

※A波とB波は、オルターネーションの特徴があり、実際は別の波形が出やすいのですが、まずは分かりやすくするための同一波形で描きました。

波形の特徴は、B波の終点がA波の始点と大体同じ株価になり、C波の終点が上昇のフラットの場合は、少しだけA波の終点を割り込み、下降のフラットの場合は、少しだけA波の終点を越えます。

レギュラーフラットの特徴

この形がフラットの最も基本的な波形でレギュラーフラットと呼びます。

レギュラーフラットは、価格的調整が浅く、チャートでは横に伸びる日柄的調整がメインとなりますが、最後の5波動でトレンドと逆行しそうな動きを見せる(A波の終点を一瞬割ったり・越えたりする)のでブレイクアウトで狙わないように注意しましょう。

種類

フラットは、先ほど紹介したレギュラーフラットを基本の波形としますが、ほかにもイレギュラーな3つの動きをする場合があります。

拡大型フラット

拡大型フラットは、B波の終点がA波の始点を越える特徴があり、A波からC波に遷移するにつれ、大きなうねりを見せます。

拡大型フラットの特徴

レギュラーフラットのC波の終点あたりでA波の終点を越えたり割ったことを理由にするブレイクアウトより、B波の終点がA波の始点を越えたり、割ったりしたブレイクアウトの方がトレンドフォローしていることもあり、フェイクに引っかかりやすいので気を付けなければなりません。

こういう形では、順張りが不利になってしまうのですね。

ランニングフラット

ランニングフラットは、レギュラーフラットのC波の終点がA波の終点を割り込まない、または越えない波形です。

ランニングフラットの特徴

フラットのC波の終点は、A波の終点を割り込んだり、越えたりすることと比べると、トレンド方向への勢いが強いことが分かります。

フラットがシナリオの一つに入るとき、C波の日柄が経過してる(5波動分)のに、ボラティリティが小さくて反転した場合にエントリーすることができます。

このランニングフラットはどんな手法でも狙いやすいので、しっかりと覚えておきましょう。

C波が巨大化したフラット

フラットの中には、C波が通常のフラットと比べて長く深い修正になる場合があります。

C波が巨大化したフラットの特徴

特に、景況感でのファンダメンタルズが影響したときや本質的には、ジグザグと似たような動きだった場合に起こりやすいです。

だから、どちらかというと2波の修正波で出ることがあるので頭の片隅にこの動きもあるということを入れておきましょう。

実践的には、もし、C波が巨大化した場合、単発エントリーで勝つことが難しいです。

例えば、上昇の場合、A波の終点を割ったあたりで反発したところを買ったら、結果的に、まだ2波や4波で下げることがあるからです(日足の場合、ローソク足ベースの動きはカウントしづらいのでフェイクに引っかかりやすい)。

そういうときは、損切りして再エントリーを狙うといいでしょう。

逆に、うねり取りやリズム取りの場合は、簡単にとれる箇所です。

副次波の特徴

それでは、フラットの中身である副次波について解説していきますね。

フラットの副次波は、3-3-5の組み合わせになります。

まず、最後のC波である5波動は、インパルスとダイアゴナルのどちらも発生する可能性がありますよ。

そしてA波とB波はオルタネーションになりやすく、別々の波形が出やすいです。

例えば、A波がジグザグならB波はフラットやトライアングルになります。

フラットのオルタネーションの例

B波は、トライアングル以外に複合修正波のダブルスリーにもなりますが、これらは長い横への調整(日柄的調整)となります。

実践的には、日足ベースで数えることが難しいので日柄やボラティリティで銘柄の癖を見ながら、波動の終わりを確認していくことになります。

出現しやすい箇所

フラットは、修正波であれば、どこでも出現する可能性があります。

特に、C波が巨大化したフラット以外は、インパルスであれば2波より4波の方が出現しやすいです。

インパルスの波動を考えれば、2波のときは、投資家心理が疑心暗鬼であることが多いのですが、4波になると、波に乗り遅れまいとした人たちが参加してくるので、価格的調整より、これ以上下落しなさそうだという日柄的調整の方が出現しやすいんですね。

よって、インパルスの4波ではフラットだけでなくトライアングルも出現しやすいですよ。

一方、アクション波が修正波の場合は、フラットのA波かB波に出現しやすいです。

なお、エリオット波動を実践で使うには、トレードの何にどのタイミングで使うか?何パターンか予測できる場合はどうするのか?何に重視してチャートを見るのかという本質的なことを理解する必要があります。

その点については、noteにまとめておきましたので参考にしていただければ嬉しく思います。

noteエリオット波動を実際の売買で使えるようになる考え方【知識は基本だけでOK】