エリオット波動のエクステンションを解説

この記事は、下記の悩みを持つエリオット波動を勉強している投資家向けに書きました。

こんな悩みを解決

  • エリオット波動のエクステンションについて知りたい
  • エクステンションの見分け方はあるのか?
  • 実際にどのように狙えばいいのか教えてほしい

記事を読むことで、エリオット波動のエクステンションについて特徴を知ることができます。

見分け方や実際にどうやって狙えばいいのかを解説しました。

結論を先に言うと、エクステンションの最中には、その波動がアクション波なのかアクション波の中の副次波なのか分からないので、見分けることができません。

ただし、実践的な使い方と内容がかぶるのですが、エクステンションの特徴や出現しやすい時期から判断すると、今の上昇は、もしかしたらエクステンションになるかもしれないという予想を立てておくことができます。

前提として、この記事は、エリオット波動の基礎的な知識を持ってる人向けに書きました。

エリオット波動の知識について、自信がない人は、過去の記事や私のYoutube動画参考にしていただけるといいと思います。

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Youtube株価の値動き(波動)を解説した動画の再生リスト

エクステンションの基本概要

エリオット波動のエクステンションとは、1つの波が延長して、1波動で長いトレンドを作ることを言います。

私もそうだったのですが、言葉だけではイメージしづらいので下のチャートを見てください。

インパルスの波動が上手く数えられないチャート

上のチャートでは、(2)までの動きは数えられるのですが、普通に数えていくと数が合いません。

こういうときは、副次波が延長してエクステンションになっている可能性があります。

では、エクステンションを考慮して波動を数えなおしてみましょう。

エクステンションを考慮して数えなおしたチャート

実は、(3)と(5)が両方ともエクステンションしていて、副次波が(1)波のアクション波と同等の長さになっています(2つの波動がエクステンションするのは珍しいが金融バブル時は起こりやすい)。

(3)と(5)波は、(1)波や(2)波と比べて、やたら長い波になっていますが、これが副次波が延長してる時の特徴です。

これで、イメージしやすくなったのではないでしょうか?

ちなみに、エクステンションは、インパルスの副次波で出現しますよ。

上図でも(1)~(5)の波動は、(3)波が一番短くない、(4)波が(1)波にかぶってないなどインパルスの構成要件を満たしています。

関連記事エリオット波動のインパルスのルールと見極め方【株式投資】

特徴

エクステンションは、基本的に、1,3,5波のどれか1つの波に出現することが多いです。

ただし、これは絶対ではなく、先ほどの例のように1,3,5波の中から2つの波が出現する場合もあります。

特にFXやコモディティのようにトレンドが続きやすい金融商品は、2波エクステンションすることも珍しくありません。

株式の場合は、金融バブルやバブル崩壊時は、トレンドが長く続く傾向にあるので2波エクステンションする場合があります。

波動がエクステンションすると、推進波の副次波が長くなるのですが、中でも推進波3波の副次波3波が最も長くなりやすいので、その場面と遭遇したら何としても利益を確保したいですね。

見分け方

では、現在の波動がエクステンション中なのか、それとも通常の推進波なのか見分ける方法はあるのでしょうか?

結論から言うと、現在進行中では、その波動が推進波なのか副次波が延長しているのか見分けることができません。

ただし、後述するポイントを押さえておくことで、シナリオの一つとして組み入れることはできますよ。

そして、チャートが完成した後は、見分けることができるので分析時にどのようなところが出やすいのか確認してエリオット波動以外の方法でアプローチできるようにするといいでしょう。

私の場合は、移動平均線を使います。

実践的な活かし方

まず、エクステンションは、インパルスの時に出現するので、インパルス自体波乗りしたいわけですから、それが長く続くエクステンションは、もっと波乗りできるようにしたいことに異論はないと思います。

ただし、現在進行形では見極めることが難しいので、エクステンション確認後、エントリーというのは、たまたま上手くいくことがあるかもしれないが、しっくりこない。

そうすると、チャートの中で出現しやすい箇所やファンダメンタルズによる現在の景況感から、条件に合うときにシナリオの一つとして入れておくといいでしょう。

チャート上で出現しやすい箇所

チャートでは、売り物がほとんどなくなり買いの需給が必然的に増えて、その勢いが続くときに出現します。

下図のような場合です。

エクステンションが予測される株価の動き

この動きは、特にパーフェクトオーダーに向かうときに有効です。

パーフェクトオーダーとは、過去の売り物がなくて、買いがどこまで続くか分からない状況です。

パーフェクトオーダーに向かうときは、移動平均線がすべて株価の下にあることが最低条件です。

そして、できれば、売り圧力がかからない位置が好ましい。

パーフェクトオーダーになりやすい大波動ベースの株価の動き

上図で言えば、BよりAの方が過去に含み損を抱えている人がいないので、簡単にパーフェクトオーダーになりやすいことが分かります。

ただし、Bの場面でも売りが相当整理されて、底練りした後、経済政策などで上昇してくれば、パーフェクトオーダーのような上昇を見せることもあります。

そして、下降では、最近の相場では全く馴染みがない人が多いと思いますが、金融ショックが起きると長らく株価が下落してエクステンションしやすくなりますよ。

日本株ならバブル崩壊や世界金融危機からリーマンショックのような時ですね。

景況感による判断

通常の安定企業の株価の動きは、3ヵ月周期で少しずつ動いていますが、急激な景況感の変化によって、上昇・下落のどちらか一方的に動くことがあります。

先ほども少しお話ししましたが、金融政策などによる経済にお金を回そうとする動き、そして金融ショックによる経済からお金が消える動きの時です。

こういった一方的な動きをしそうな景況感は、チャートだけで取引している人も状況だけは把握しておいた方が、エクステンションをシナリオに入れやすくなりますよ。

実際にエントリーするときのポイント

実際にエントリーするときは、底練りで買った株を保有、押し底値でエントリーの2つがあります。

底練りで買った株を保有するということは、1波で上昇が終わったときに対応できないので、長期投資家向けの戦略です。

そして、押し底値での購入は、ベストなタイミングでスイング、ポジショントレードのどちらの人でもできます。

押し底値で波動を捉えるには、やはり修正波の動きを研究することです。

それらは、当ブログで勉強できますのでご参考いただければと思います。

そして、メインとなる戦略は、エントリーより利確です。

波動を数えて、5波に到達しているのに、上昇の勢いが強く押しも浅ければ、エクステンションの可能性を疑います。

そもそも、エクステンションをストーリーに入れたり、疑ってなければ、とることはできませんからね。

どうもエクステンションの可能性が高いと思ったのなら、エクステンションの波動でカウントして、できる限り利益を伸ばすといいでしょう。

特に、バブル時期で200MAをともなったパーフェクトオーダー時には、エクステンションを想定しながら日々観察するといいですよ。

なお、エリオット波動を使って実際の取引をするときは、その本質について理解してないと、ほとんど役に立たないどころか逆効果になってしまいます。

その本質を理解して実践で使えるように下記のnoteでまとめましたのでご参考いただければ嬉しく思います。

noteエリオット波動を実際の売買で使えるようになる考え方【知識は基本だけでOK】