ダウ理論の高値と安値を把握

この記事は、下記の悩みを持つ株式投資初心者向けに書きました。

こんな悩みを解決

  • ダウ理論の高値と安値の見方が分からない
  • 押し目や戻しが分からない
  • 高値と安値の更新が分からない(これはまだチャートに慣れていない初心者向け)

記事を読むことで、高値と安値の明確な定義(私が考えたオリジナルの定義です)が理解できます。

この定義が分かれば、自分の投資システム(手法)の改善に役立ちますよ。

私の投資手法は、90%がテクニカル分析です。

テクニカル分析は、ダウ理論が基礎となっているので、私の投資手法の根幹を占めています。

私は、再現性がある手法しか研究しておらず、実際に投資で利益を出し続けているし取引履歴も公開していますので、かなり濃い内容になっています。

実績公開(4か月ごと)

【実績】2019年9月から12月までの株式投資の収益公開(過去は2015年から公開してます)

【相対論】高値と安値とは何か?

高値とは、一番高い株価であり、安値とは一番低い株価です。

これは、素直にそう思ってもらって構いません。

ただし、何を基準に一番高いのか?一番安いかを判断する必要があります。

ダウ理論の高値と安値が分からない人は、おそらくチャートを主観的にしか見ることができてないと思うので、まずはこの基準を明確にして客観的に見れるようになることから始めましょう。

一番高い株価や一番低い株価は、チャート期間や時間軸によって変わってくる相対的なものです。

期間や自分がトレードする時間軸が変われば、高値や安値が変わってきます。

期間によって変わるという意味

下のチャートを見てみましょう。

5か月間の株価を表したチャート
※画像はクリックで拡大できます。

このチャートは、5か月間の株価の動きを表したチャートですが、この期間での高値と安値は、赤線になります(単純に一番高い株価と一番安い株価を線で引いたもの)。

では、これを2ヵ月間で見たらどうでしょう。

2か月間の株価を表したチャート

このチャートは、先ほどの5か月間を2か月間に縮めてみたものです。

この期間で見ると、高値と安値が先ほどと全く違う位置になりましたね。

これをさらに1か月に縮めてみましょう。

1か月間の株価を表したチャート

この期間になると、また高値・安値の見え方が変わってきますね。

自分がトレードする時間軸によって変わるの意味

トレードには、スキャルピング・デイトレ・スイングトレード・ポジショントレードがありますが、それぞれ時間軸が違います。

ダウ理論で、高値と安値を確認するのは、トレンドを形成しているかトレンドの転換予兆があるのかを判断するためですね。

それならば、自分がトレードする単位の時間軸とその一つ上の時間軸の株価を確認する作業が基本となります。

これで、大きな流れの中のどこでトレードするのか把握できます。

例えば、デイトレードなら日足を大きな流れとみて、自分のトレードする足、例えば5分足を確認するのです。

また、スイングトレードでは、5MAくらいを一塊の流れとみて、その上の25MA (週足だと5週線)くらいの大きさの流れの高値安値を判断するわけですね。

つまり、デイトレードとスイングトレードでは、株価の安値・高値を判断するポイントが変わるわけです。

これが、自分のトレードする時間軸によって高値・安値が変わるという意味なのですね。

そして、相対的に見たときの流れの大きさごとに、前の安値や高値が決まるので、そこを株価が抜いたり、割り込んだりすることを更新するといいます。

実際どのようにチャートを見ていくのか?

では、私がトレードするスイングトレードを例にチャートで高値安値を見ていきましょう。

まずは、下の6ヵ月の株価を表したチャートを例に解説していきますね。

1か月間の株価を表したチャート

分かりやすくするため、使っている指標は、終値・5MA・25MAのみです。

私ならこれを見たときに、この期間で一番目に付く5MAベースの高値と安値に目を付けます(慣れてない人は線を引いてみてください)。

5MAをベースとした株価の高値と安値を描いたチャート

初心者の方の場合、もしかしたら、5MAをベースに高値・安値を付けるの意味が分からないかもしれませんので、私が見えている株価の流れを可視化しましょう。

5MAベースの株価の流れを可視化したチャート

この赤ペンで描いた流れで高値・安値を判断するのが5MAベースの高値・安値です。

まずは、終値ベースの細かい動きは、気にしません。

しかし、これだけでは、実際にエントリーすることができませんね。

だから、直近の株価の高値・安値を終値ベースで可視化する必要があります。

終値ベースの株価の流れを可視化したチャート

A地点で、ダウ理論のトレンド継続か否かを考えるとき、終値ベースでは、直近の終値ベースの安値を割ったら、上昇トレンドが終了するのですが、5MAベースでは、上昇トレンド終了のシグナルにはなっていませんね(5MAベースの安値を割っていないので)。

こういった読み方ができれば、すぐに空売りでエントリーすることもないでしょう。

また、私の場合は、さらに大きな流れも一応確認しておいて、今後の流れの予想パターンを増やし、予想外の動きで泡を吹く可能性を減らしています。

25MAベースの株価の流れを可視化したチャート

そうすると、今の上昇は、底から転換し始めたところなんだなと理解できます。

これをエリオット波動と一緒に考えると、さらに精度の高い分析ができるようになりますよ。

押し目や戻りについて

ダウ理論でトレンドと高値・安値を把握できれば、押し目や戻りで買いや空売りを入れれば良いことに気づくと思います。

ただ、トレード初心者や利益を上げられていないトレーダーの場合、ダウ理論の高値・安値を把握しても、トレンドが継続するかどうか分からないので後付けの理論にすぎず使えないなんて言う人もいるみたいです。

そう思うのは、トレードに絶対性を求めているからなんですね。

トレードというものは、あくまで優位性を元に確率の高いところを淡々とエントリーしていくものです。

例えば、上昇トレンドなら前の安値を割らずに止まりそうになったり、反転のシグナルがでた場面では、ほかの場面より優位性があると考えるわけですね。

そこで、自分が目印とするサポートラインを撤退のラインとして攻めるわけです。

ここまでの記事の内容を押さえれば、自分の手法を持っている人は、ワンランク上のトレードができるようになると思います。

ただ、まだトレードがうまくいかない人の場合、過去のチャートを見て高値と安値を把握できるようになったからといって、空白の未来チャートを推測することができるとは限りません。

高値と安値を使った未来チャートの推測方法やエントリーの方法は、高値と安値を完全に理解できた先にあります。

推測方法の一つに転換点の見極め方がありますが、これはダウ理論をもっと厳密な波動として捉える必要があります。

その辺は、noteにまとめておきましたのでご参考ください。

note【株式投資】私が使っているトレンド転換を見極める方法【本質論】