
この記事は、下記の悩みを持つ個人投資家向けに書きました。
- ダウ理論を元に優位性のあるエントリーポイントを見つけるヒントが欲しい
- また、実際に利益を出すまでの方法も知りたい
記事を読むことで、ダウ理論を使って実際に利益を出すためのヒントを得ることができます。
すなわち、エントリーポイントだけでは、利益を出すには不十分なので、損切りライン・利益確定の提案までまとめておきました。
これは、実際に私も使っている考え方なので、ご参考いただければと思います。
ダウ理論は、投資手法ではなくて、あくまで相場理論の一つです。
すなわち、ダウ理論を学んだからと言ってトレードで結果を出せるとは限りません。
しかし、私の検証と経験から言うと、相場は、結果的にダウ理論が当てはまる動きが多いので、それを元に戦略を立てることに優位性があると思います。
成功率を上げるにはトレンドの把握が不可欠
ダウ理論を使ったエントリーポイントは、トレンドができている箇所であるのが基本です。
なぜなら、ダウ理論の一つである「トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する」という理論を使うからです。
よって、上昇か下降のトレンドを把握できるか予想する力が必要なのです。
ここからは、トレンドの動きを自分なりに掴んだ時点を前提として、エントリーポイントのお話をしていきますね。
具体的なエントリーポイント
ダウ理論を使ったエントリーポイントは、トレンド中かトレンドの入り口で高値・安値を使って判断します。
分かりやすくするため、図で表しますね。
上昇トレンド中

エントリーポイントは、結果、押し安値となるポイントAと前の高値をブレイクしたポイントBになります。
これらでエントリーする時のメリット・デメリットは、Aの地点ではまだトレンドが継続しているか分からない点、すなわち、トレンドが継続しそうだという予想からエントリーします。
だから、失敗の確率がやや高くなります。
その分、Bと比べて低い位置でエントリーできるので予想が当たったときの利幅は大きいというメリットがあります。
反対にBの場合は、トレンド継続が確定したという確信を持てるメリットがあるものの、高い位置でエントリーしているので、利幅が減るのと、損切りの位置まで遠くなるので、資金を多く投入できないデメリットがあります。
ちなみに、私の場合は、Aの押し安値を目掛けて逆張りするやり方をとっていますが、トレンドの把握や今後の流れ、失敗した時のケアの仕方など、かなり自信がなければできませんので、初心者がマネするのは危険かもしれません。
下落トレンドは、上昇の逆になります。

Aの戻り高値で転換したところで空売り、Bの前の安値を割り込んだポイントを空売りするやり方の2点です。
メリットとデメリットについても、上昇トレンドと同じですが、下降トレンドの方がスピードが速いことが多いので、上昇トレンドと同じ変動感覚では上手に波に乗れない場合があるので、波乗りについては、分けて考えるといいですよ。
ちなみに、ダウ理論のトレンドや転換の把握について理解が必要な高値や安値については下記の記事でまとめましたのでご参照ください。
関連記事【明確な定義】8分でダウ理論の高値と安値を簡単に理解できます
フラクタル構造で考える
あなたは、ここまでの話をどの時間軸でイメージしていたでしょうか?
客観的にチャートを見たり、トレードの検証するには、自分がトレードする期間だけでなく、上位の期間だけでなく、場合によっては下位の期間も意識する必要があります。
ダウ理論の中にも「トレンドは短期・中期・長期の3つに分類される」とありますね。
同じ動きでも、大きな視点から見た流れのどこの流れの中にあるのか把握していなければ、突然のトレンド転換に頭を悩まされることがあるのです。
私の場合は、日足でトレードしますが、必ず上位の週足を確認して、場合によっては月足も確認しています(時間足はほとんど見ませんが)。
エントリーポイントの注意点
エントリーポイントを探すときには、注意しなければならない点があります。
それは、ダウ理論にもある「主要なトレンドは3つの段階から形成される」という論理にも関連があります。
ダウ理論を学んだ人ならご存知でしょうが、トレンドは、先行期・追随期・利食い期の3段階に分かれています。
この中の利食い期でのエントリーは避けなければなりません。
トレンドを深追いすればするほど、損をしやすくなることを意識しておきましょう。
初心者がトレードするとき、トレンド把握が遅れがちなので、気をつけていても利食い期でエントリーしてしまいがちなので、特に注意が必要です。
この辺は、エリオット波動を同時に学ぶと理解しやすいですよ。
損切りラインの設定
トレードで利益を得るには、エントリーだけでなく、損切りと利益確定の位置も決めておく必要があります。
まず、損切りの位置ですが、ダウ理論を使ったトレードの損切りは、簡単で明快なのでご安心ください。
結論として、損切りラインは、前の安値の下に置きます。

ラインより少し下に設定するのは、期間中の動きでノイズが生じることによって、ロスカットに引っかかる可能性があるからです。
基本は、前の安値の1ティックか2ティック下に逆指値を置きます。
ただし、これはあくまで基本なので、銘柄やその時々のポイントによって、変化させる必要があるのです。
例えば、安値を付けた日の最安値の下に置く方が上手く機能するとか、そういうことです。
自分が手掛ける銘柄、商品などの癖や過去の検証を元に、その時々のベストな位置を決めることができるようになるのが理想です。
また、新たな押し安値を付けた場合は、損切りラインを上げて利益を確保していくのが通常の戦略になります。
下降トレンドの場合は、この全くの逆ですが、主に下落初期は、激しく反発して、前の高値を少し上抜いた後、下がる動きも見せるので、その辺も踏まえて、各々検証してみてください。
利益確定の位置の提案
利益確定については、どんな達人でも、もっといい方法がないか考え続ける一生の命題です。
しかし、基本原則として、自分がとろうとしている波を把握しておく必要があります。
つまり、大中小どの波動でトレードするかはあらかじめ決めておく必要があるのです。
小さい波をとろうとしているのに、途中で欲がでて大きな波動を狙うことに切り替えたり、中型の波を狙っているのに、小さな波に振り回されて利益確定を早めてはいけません。
後からチャートを見れば、小さな波を狙ったところから、大きく上げることもありますが、その逆に大きく下げることもあるのです。
また、中型の波を狙っているのに、小さい波に振り回されて利益確定を早めたなら、リスクに対するリワードが少なくなるので、トータルで考えると利益が伸びなかったり、マイナスになってしまうからです。
そして、具体的な利益確定の位置の提案ですが、それは、トレンドが転換した時です。
ダウ理論での転換とは、高値を更新せず安値を割り込んだところを言います。

これを自分がトレードする期間にあてはめて利益確定すればいいのです。
詳しい転換の見方や考え方は、noteの記事「【株式投資】私が使っているトレンド転換を見極める方法【本質論】」でまとめましたので、そちらもご参照いただけると理解しやすいと思います。
空売りを狙う下降トレンドも基本的にこの逆です。
もちろん、これは一つのやり方にすぎませんが、こういった見方を基本に、自分で色々と検証してみると上達しやすいと思います。