
この記事は、1990年に起きた日本のデフレ経済突入のきっかけとなったバブル崩壊の時代背景を学んで、今後の株式投資に活かしたい人向けに書きました。
バブル崩壊から始まった長引く経済低迷は、当時の外交政策と金融政策に大きな特徴があります。
これらの内容を学ぶことで、将来起きるかもしれないバブル崩壊のような大きな株価下落の予兆に気づいたり、分析力を上げることができますよ。
バブル前の背景(金融政策・外交)
日本経済をデフレに陥れた発端となる株や不動産のバブル崩壊は、事前の暴落によりコントロールできないバブルが引き起こしたパターンです。
事前の暴落とは、ブラックマンデーのこと。

時は、1985年に遡りますが、当時、アメリカは、貿易赤字に苦しみ、ドル安を誘導してほしいとニューヨークのプラザホテルで日本、ドイツ、イギリス、フランスと会合をしました(プラザ合意)。
これにより、強烈な円高になったため、日銀による低金利政策と政府の積極財政政策に舵を切りました。
翌、1986年1月から4月までに、5%だった公定歩合を段階的に3.5%まで下げ、11月には3%、87年2月には2.5%まで下げました。
投資マネーは空前の財テクブームを生み、すでに株式と不動産を中心に大量の資金が流入したのです。
しかし、普通の人が家を買えないくらい地価が高騰して国民からは不平不満がでてきます。
そこで、金利の利上げや不動産に対する政策を考慮していたところ起きたのがブラックマンデーです。
ブラックマンデーに驚いた日銀は、下手に金融の引き締めをすることはできません。
しかし、前回の記事でもお話ししたとおり、ブラックマンデーは、経済後退ではなく、バブルを引き起こすタイプの暴落だったわけです。
参考記事:【株価暴落】ブラックマンデーの研究【原因究明より何を学ぶか】
止まらないバブルが発生
ブラックマンデーの後、景気後退するどころが7か月で新高値形成しました(1988年4月)。
この年、GDPの成長率が前年比7.6%に跳ね上がると、やっと利上げに踏み切ります。
ところが、株価はバブルに入り、一向に止まりません。
10年国債利回りも6%まで上昇しました。
そして、1989年再び利上げを実行することで、GDPの成長率が5.42%まで下落しましたが、長期金利は7%に上昇して、株価はさらに激しさを増して上昇しました。
1989年5月から5回の利上げを敢行するのですが、1990年の大発会から次第に株価が下落へ向かうのです(1989年12月29日の終値38,915円が頂点)。
この時の長期金利は8%でした(国債はボロカスに売られていたわけです)。
日本経済の低迷を招いたバブル崩壊
1989年12月29日を境に株価が暴落へ向かうのですが、なぜか日銀は、金融引き締めの手を緩めず、断続的に、利上げしたことによって、ただの暴落から日本経済の息の根を止めるデフレ経済へ向かうことになりました。

日本のバブル崩壊から学べることは、やはり利上げが株価の天敵であること、たとえ判断が間違っていても、マーケットでは中央銀行の方針に逆らえないということでした。
ただの暴落から長期的な経済低迷へ
結果的に、1990年の株価暴落は、単純な暴落に留まることなく日本経済の低迷を招いてしまいました。
不景気により、事業会社の収益が悪化したので、彼らが借入れしているお金は返済不能に陥りました。
そして、担保に入れていた、土地や建物は、地価の急激な低下により、借入価格を下回ったことから、銀行が多額の不良債権を抱えることになったのです。
そして、1991年2月に日本経済のバブルが崩壊して、長期に渡るデフレ経済が始まりました。
後から見れば、もっと早く金融引き締めをして、早く緩和すれば、ひどいデフレにはならなかったのではないかと思うかもしれませんが、株の取引と一緒で、未来が見えない状態の現在進行形で政策を行うのも難しいと思います。
結果的には、金融引き締めが長引いたため、ただの暴落がデフレ経済突入への引き金となりました。
そこから日本の失われた20年や30年が続き、その煽りをまともに受けたロスジェネ世代の中には、いまもその後遺症に悩まされているのです(失われた20年なのか30年なのか論議があるが、そんなのはどうでもよく、事実として非婚、非正規雇用の問題がある)。
ただ、戦争に青春を奪われた祖先と比べれば、なんのことないので、頑張るしかないのだが、、、と自分に言い聞かすことにしよう。
アメリカの動きはどうだったのか?
アメリカでは、日経平均の暴落に関係なく、横ばいした後、もう一段上げしますが、1990年7月にリセッション(景気後退)に陥ります。
その年の8月にイラクがクウェート侵攻して、翌91年1月17日に湾岸戦争に突入しました。
戦争需要もあってなのか、NYダウは、日経225を横目に上昇トレンドに戻りました。

ただ、FRBは88年の大統領選挙前にレーガン大統領から利下げ要求に応じなかったし、89年に景気悪化してくると、即座に金利を下げて、小刻みにショックを和らげているという的確な金融政策をとっているのです。
これが、政府から完全独立している連銀の強みなのかもしれません(もちろん、圧力はあると思いますが)。
テクニカル
バブル崩壊をテクニカルで考えると、やはり、思考停止な長期投資は最後に刈りとらることが分かります。
いくら、長年右肩上がりの上昇トレンドだったからと言って、放置しておくのは危険なのです。
とはいえ、当時、長期投資のパフォーマンスはものすごくよかったので、長期投資をするなら、経済や金融政策を見る目を養う必要があるのですね。

短中期投資をしている人なら、まず問題なく損切りか利益確定ができている場面なので、語ることはありません。
長期投資の人も、やはりチャート分析を取り入れることは重要ですね。
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